市議会ニュース -2006年9月号-

「財政再建」をいうが「市の貯金」5億2千万円取り崩し計画の整合性がない事業次々と!

9月定例市議会が9月11日から10月2日までの会期で開かれ、総額13億8千万円の一般会計補正予算など23議案が可決されました。日本共産党市議団は、反対理由を本会議で述べ、6議案に反対し17議案に賛成しました。反対した議案の問題点は次のとおりです。

旧丸正ビル再生補助に6億円。基本計画の策定前に予算を計上。

  旧丸正ビル再生の中心市街地活性化基本計画は、市の説明では、10月に国土交通省に事業計画を、11月中旬には申請する予定とのことです。「暮らし・にぎ わい再生事業」として空きビル再生支援のためエレベーターや階段、避難施設などの整備補助を国に申請するというものです。

市議団は、今回の予算計上が基本計画における位置づけが明確でなく6億円の投入で市の予想する効果が生まれるか定かでないこと、またこの補助事業への市民的合意がまだ十分取れているといえない点から反対しました。

水道料金窓口業務、出島浄水場の民間委託化は問題!

来年度から水道料金の窓口業務を民間委託するため2億2千万円、出島浄水場の運転管理を民間委託するため3億2千万円が計上されました。これら は、人員削減による経費削減が目的ですが、市民の命を支える水づくりは直営でされるべきで、また窓口業務は市民との直接対話する重要な業務であり民間委託 すべきではありません。

市営住宅の管理を民間委託へ

市営住宅の維持管理、入居者の募集、入・退居手続きなどの業務を民間委託し、当面その対象を6団地とし、3年間試行するという条例が提案されまし た。修繕業務も民間管理となります。市議団は、安くて安心な公営住宅を提供することは、市の重要な責任でありその役割低下が避けられないことから反対しま した。

北インターチェンジの設置に20億円以上

大橋市長は、直川用地の活用とともに、北インターチェンジの設置が最重要課題と所信表明で述べました。日本共産党は、事業総額、市の負担額、その 財源の見通しについて質問し、市は、事業総額の概算で20億円から25億円で、市の負担額などは県と協議中で財源は国庫補助を半額見込んでいる、また「財 政健全化計画」策定後の事業となるため、市税などの動向を見極めつつすすめると答弁。財政再建の途上にあるなかで今回の補正予算の歳入には5億2千万円の 市の「貯金」である財政調整基金を取り崩しています。このもとで計画との整合性は極めて不十分といえます。

「雇用創出計画」と推進体制の確立を!

労働法制の改悪で非正規労働者が増大させられ和歌山市においても雇用問題は深刻です。「若者が魅力を感じる就職先が少ない」「雇用機会の確保と経済の活性化を図りたい」と市長も所信表明で述べています。
市議団は、議会で雇用創出計画と推進体制強化を求めたところ、市は「和歌山市の雇用対策の窓口は現在、労働福祉班だが、新年度にむけて検討」し、また市長は雇用創出計画の「必要性はある」と述べました。

高齢者への負担さらに増大、市は国保、介護、税の軽減策をもて!

表  今年6月、市民税課の窓口に「昨年の何倍にもなった」との問い合わせが高齢者の方から殺到しました。来年以降も国の税制改定により介護や、国保など保険料 の負担はさらに増えるためその実態を問いました。高齢者で単身者、年金180万円の方の場合、2年間で新たに約68000円も増えます。(表を参照)
市独自の軽減策を持つよう求めました。特に他の中核市、船橋市では介護保険の利用料軽減、新潟市では国保料を軽減し、東大阪市では市民税の減額などを進めています。和歌山市においても国の悪政から市民を守る立場で独自に軽減策をもつよう求めました。

なぜ!和歌浦は廃園?杭ノ瀬は新築移転?公立保育所整備の全体計画を示せ!

子育て支援のため和歌山市は「次世代育成支援行動計画」を立てています。公立保育所の整備は8ヶ所となっていますが、どこを整備するか全体計画は 出されていません。この9月議会で突然、杭ノ瀬保育所の新築移転のための用地買収費1億2300万円が提案され、一方で和歌浦保育所を廃園する条例がださ れました。子育て支援策は、市民ニーズにかみあった市の行動計画へ具体化するよう求めました。

児童館、地区文化会館など、一般開放を!

 市民の学びを保障するため市は「生涯学習基本計画」を策定し、施設整備と開放を進めています。その計画の中で、旧同和対策として建設された地区文化会館、児童館を生涯学習の拠点として活用することを掲げました。しかし、一般開放とは言いがたい実態があります。
なかでも芦原スポーツ広場(通称)は市の児童遊園であるにもかかわらず鍵がかかっており自由に出入りできません。公共施設として公正に広く市民が利用でき るためのシステムづくりを市当局に求めました。市長は「公正・中立を旨とし」「市民に開かれた施設として運営」すると答弁しました。

バリアフリーへ前進<JR六十谷駅>

  JR六十谷駅のバリアフリー化に必要な市の交通バリアフリー基本構想についてただしたところ、市長は「早期に実現する」と約束しました。六十谷駅は通勤通 学など市民の利用が増えています。またエレベーターや障害者用トイレなど早急な改善を求められています。共産党が駅利用者の方を対象に実施したアンケート では段差、トイレ、駐車場、駅前スペースなど切実な内容が寄せられています。
日本共産党は、JR支社と交渉した際「市の基本構想ができればバリアーフリー法を活用」したいと回答を受けたことを議会で示し、市の対応を求めました。
市長は「有功・直川連合自治会で設置された六十谷駅利便性向上対策委員会からの陳情などを踏まえ」「基本構想を早期に実現するよう取り組む」と約束しました。

<青岸産廃>住民対話と産廃計画の見直しを!

市長「早期にお会いする機会を」

住民は11万人の反対署名を集め建設中止を求めています。
市議団は、市長が地元住民との対話することと医療系産業廃棄物処理計画を立てるよう求めました。
市長は「住民の方々の声をきくため、議会終了後できるだけ早い時期に、砂山地区の皆様にお会いできる機会をもちたい」と答弁しました。また生活環境部は、 「産業廃棄物の実態を県内事業者にアンケート調査を実施」「事業者を重点的に選定し、県市合同で事業所訪問し聞き取り調査を実施」、また「自区内での適正 な処理」の具体化が県の計画にもりこまれるよう働きかけると答弁。住民の不安に正面からこたえるよう引き続き市に働きかけていきます。

施策の優先順位と市民合意は?―大型事業がめじろ押し、でも財政負担は―

大橋市長は、2期目にあたり、和歌山市の活性化のため、河北地域における直川用地への公共施設設置と活用、北インターチェンジ設置、また旧丸正の再生をはじめとする中心市街地活性化の事業などの構想を明らかにしました。
市議団は、さまざまな施策の優先順位や事業総額と市民同意をいかに得て進めるのか質問しました。
市は、北インターチェンジに20億円以上、直川の保健センターとコミュニティーセンターに14億6千万円、JR和歌山駅と南海市駅間の高架事業に19億9千万円などが必要であると答弁しました。
市は「財政健全化計画」の実施途上にあり財政が厳しいのが現状です。そのもとで市の負担額、財源見通しと計画との関係などを踏まえ優先順位を決めることや市民合意の確立が求められます。

「市役所ぐるみ選挙」を質す

市議団は9月13日の本会議で一部報道されている「市役所ぐるみ選挙」について質問。市長は「誠に遺憾だ、捜査の結論を待って適切に対応」したい と答弁しました。公務員の政治的自由は保障されるべきですが、これまでも指摘された「市役所ぐるみ選挙」は違法行為であり公正な市政運営の障害となること から厳正に正すべきであるというのが日本共産党市議団の立場です。

「障害者自立支援法」の改正を求める請願!

障害者自立支援法について、NPO法人和歌山県手をつなぐ育成会など12団体から出されていた請願を全会一致で採択しました。
内容は、障害者自立支援法が4月から施行され応益負担が導入され、障害者と障害者施設を直撃していることから法改正を求め、また和歌山市独自の軽減策を求めています。
要望では、和歌山市における影響調査を行うこと、障害乳幼児の応益負担については凍結すること、障害者の認定区分は生活ニーズに基づく支給決定にすること、地域生活支援事業が積極的に取り組めるよう予算を大幅増額することなどを求めています。
市議団は、これらの要望が市政に生かされるように奮闘してゆきます。

県「紀の国森づくり税条例」および「基金条例」の撤廃を求める

和歌山県議会において昨年12月、市議会などの反対の声をおしきって和歌山の森林の保全などを目的に「森林税」を県民税に500円上乗せする条例が可決されました。この条例による税の徴収は来年4月から実施となります。
この間、県は各地で説明会を開催しましたが、和歌山市では30人足らずの参加で、説明会の周知案内自体に問題あるとの声も出されています。
御坊市議会とともに和歌山市議会において、昨年に続いて県の「森づくり税条例」の撤廃決議が全会一致で採択されました。

<杭ノ瀬保育所の新設移転>1億2300万円「予算執行を凍結」、市長表明

 9月議会に突然、杭ノ瀬保育所の移転・新設のためにと1億2300万円の土地購入費が計上されました。
市議団は、本会議で取り上げ、和歌山市の公立保育所整備計画との整合性を質問しました。和歌山市の公立保育所の整備計画では市内9か所を整備するとしてい るがその全体像はどうなっているのかと質問しました。市は「計画にはないが、近隣土地所有者の同意がえられたため早く進める。施設の整備には適時に適切な 事業を行う」と説明しました。教育民生常任委員会で他の会派の議員も取り上げ、委員会が市長の出席を要請し、市長が「予算執行の凍結」を表明しました。
なぜ新築移転なのか、保育人数定数を増やさないのに広い土地が必要なのか、土地購入の経緯、地域子育てセンターを併設するという計画がなぜ突然出されたのかなど、さらに市民に明らかにすることが求められます。

市議会ニュース -2006年6月号-

 6月定例議会は、6月13日から30日までの18日間の会期で開かれました。一般会計補正予算2億4千万円余の増額を含む36議案が可決されまし た。日本共産党市議団は、25議案に賛成し、国の地方税法改定にもとずき6億8千万円もの増税となる和歌山市税条例改定など11議案に反対しました。議会 は、定数削減を求める議員の提案で定数協議会が設置されました。また、「紀ノ川大堰建設に関する決議」が全会一致で採択されました。
日本共産党議員、5人全員が一般質問にたちました。主な内容を報告します。

就学前、乳幼児医療費を全額助成

さらに小学生の通院費も!

和歌山県下の「就学前、乳幼児医療費の無料」を求める運動と日本共産党の議会追及などが実を結んで、県下で10月から実施されることとなりました。
和歌山市は、さらに独自に12歳までの小学生を対象に、入院費の助成が一部に所得制限がありますが実施されます。

「議員定数問題協議会」が設置されました

議会は、議員定数の「削減」を求める議員の要望などを受けて「議員定数問題協議会」を設置しました。議会閉会中も協議会を開くこととなっています。
日本共産党市議団は、議会が行政を市民の市場からチェックする役割を発揮することこそ必要であること、また地方自治法条例による現在の定数の保障が必要であるとの立場から削減に反対ですが、市民のみなさんへの情報公開を含めてオープンな議論を求めてゆきます。

5月11日の米軍艦船
カウペンズの和歌山港への入港と非核平和都市宣言の関係

ひめだ高宏市議

 日本共産党市会議員団は、5月11日に市長に対し①米軍艦船の和歌山港入港を拒否されること、②入港を許可せざるを得ない場合は米軍艦船の「非核証明書」の提出を求めることの2項目について、知事に要請することを申し入れました。申し入れについての対応を質問しました。
市は、「港湾の管理は県の権限です。本市は今回の米軍艦船の入港に先立ち、関係課から県に対し 『核装備搭載の有無の確認』 の実施について照会したところ、既に県は 『日米安全保障条約に基づき非核三原則を堅持する我が国の立場は確保されている』 との回答を国から得ているとのことでしたので、非核平和宣言都市である地元自治体の立場は尊重されているものと考え、あらためて県に対し再度確認を要請す る必要はないと判断しました」と述べました。

サンピア和歌山の機能存続について

ひめだ高宏市議

 サンピア和歌山の機能存続を求めて市長の考えを質問しました。
市長は、「サンピア和歌山は国の方針で、今後5年を目途に廃止・売却され ることになっています。サンピア和歌山は、宿泊施設やスポーツ施設を備え、市民の憩いの場として周辺地域の環境の向上に資するものであり、地元からの雇 用、食材等の地元業者からの調達など地域への貢献度合いが大きい施設です。周辺の連合自治会の方々から存続の訴えが寄せられており、市としてはサンピア和 歌山を現状のままできるだけ長く存続すること、もし売却される場合でも施設を譲り受けた民間事業者ができるだけ変更することなく営業を続けられるよう、国 等の関係機関へ今後とも働きかけを続けていきたいと思います」と答えました。


新予防給付対象者のベッド等の利用は継続を

南畑さち代市議

 介護保険制度の改定による「新予防給付」について、予防重視型の制度改正で予防プラン作成の遅れが生じていないかとの質問に、市は「居宅介護支援 事業に委託することにより、対応に遅れがないように努めている」と答えました。また軽度の方がベッド等の利用が制限されようとしていないかとの質問に、市 は「経過措置として4月以前に利用していた人は9月末まで利用できるがそれ以降はできない。」と答えました。
10月の経過措置が切れる前に、利用者の不安に応えられる施策が必要であり、市の裁量発揮を要望しました。

女性の幹部登用、審議会の女性比率向上など男女共同参画計画について質問

南畑さち代市議

 第2次事業計画の到達と第3次計画の策定にあたり努力している点を質問しました。
市は、計画の効果的な推進を図るため、男女共生推進会 議の会長としてファミリーサポートセンター事業などは順調に推移している。しかし、子育て、介護など家庭生活への男女の参画、審議会、委員会など政策決定 過程の場への女性の参画など効果的な成果が見られない事業もある。DV問題、少子化問題などへの対策の推進を図っていくと述べました。
また、女 性職員の幹部職員への登用状況、付属機関の女性委員の登用状況、さらにゼロの機関や委員兼職数の状況を質問しました。市は、06年4月1日現在251人で 16・5%で中核市の平均を上回っており、付属機関70機関のうち7機関がゼロで兼職数5件を超える委員が13におり、改善を働きかけたいと述べました。
女性比率向上のため、担当部が目標値を持ってあたることを要望しました。


医療廃棄物処理は市民的な課題  市は処理計画をまずもて

大くさ主馬市議

2000年5月、日本共産党の児玉健次議員が、厚生委員会で医療廃棄物問題を取り上げ、廃棄物の適正処理には1kgあたり200円が必要とされてい るが、実際の入札では、50円など異常に低い価格で処分されている。市場任せでは適正に処理されない危険があることから、必要な対策をもとめています。

市は産廃処理協議会設立を約束!

大くさ主馬市議

 青岸の医療廃棄物処理施設についての最終判断は処理計画ができるまで待つべきであり、関係者の協議会設立のめどはいつかと質問しました。生活環境 部長は、県の廃棄物処理計画改定とともに、仮称和歌山市産業廃棄物適正処理検討協議会の本年度中の設立を目指すと答弁しました。
また市長は「産 業廃棄物を適正に処理する施設は不法投棄等の不適正処理を阻止し、より快適な市民の生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図るため不可欠なもの」「県の計画 を踏まえ、現在青岸地区に廃棄物処理施設が集中している問題も含め、将来的な産業廃棄物の適正な処理について、市民、排出事業者、産廃業者とともに考えて まいりたい」と答弁しました。

「函館方式」生かし、和歌山市で公共事業の下請業者と労働者の生活を守れ!

大くさ主馬市議

 函館市では公共事業の下請業者や労働者の生活を守る立場から賃金や労働条件について元請への行政指導に取り組んでいる事から「函館方式」と呼ばれています。
和歌山市の実態把握と、下請、孫請業者、労働者の賃金などは適性か、その判断及び現金支払いの履行について質問しました。建設部長は、「下請代金や労働者 の賃金は、現金で支払うことは、非常に重要であると認識し、下請業者の保護の観点から他都市の状況を調査した上で、研究してまいりたい」と答弁しました。 「函館方式」を研究するように要望しました。


大滝ダム、すでに市民負担が207億円
今後「負担増」はないのか?

後みつる市議

写真:5月現地調査で説明を受ける議員団 後みつる市議は、奈良県川上村の大滝ダムについて質問しました。
和歌山市は奈良県川上村の大滝ダムの09(H21)年度完成を前提に水道水の半分以上を加納浄水場から配水しています。
72(S47)年に 基本計画が策定されて以来5回もの変更で、総事業費が当初230億円から3480億円へと膨らんでいます。和歌山市は、水道水供給を目的に負担しています が、当初9億529万5千円から207億600万円の負担に膨らみました。しかし、「地滑り対策」などのため大滝ダムはまだ完成していません。
問題点は「異例の5回の計画変更」というずさんさにあります。04(H16)年の完成前の水を溜める試験中にダム上流地区で地滑りが発生しましたが、事前 に地元住民や専門家から指摘されていたもので、国の判断が甘かったためです。市は、新たに15億円の負担金を提案してきました。市議会は一度は反対意見書 を採択ししましたが、結局議会は市の負担金を認めました。日本共産党市議団も国負担で行なうべきであると反対しました。
日本共産党和歌山市会議員団は県議団とともに、現状はどのようになっているのか、新たな計画変更の可能性はないのかなどについて5月に現地調査をしました。
この調査をふまえ、議会での質問と答弁は次のとおりです。

①基本計画第5回変更以降の本市の負担額はどうか。また大滝ダム完成時、水道事業会計への影響はどうか。

グラフ:総事業費を大きく増額したダム事業 「大滝ダム第5回基本計画変更による本市の負担予定額は、上水道で11億1千938万円、工業用水道で3億7千14万円、合計14億8千953万円となっている。ダム完成後は財政状況が厳しくなる。
対応として04(H16)年9月に策定した 『経営健全化プラン』 に基づき、施設の統廃合や浄水場などの民間委託を実施し、財政の健全化を図っているが、今後も支出の抑制に努め、水道事業会計に影響を与えないよう努める」

②大滝ダム完成までの間、渇水時における取水量の確保はどのようにしているのか。

「渇水時の取水の確保は、河川管理者である国土交通省のよびかけで奈良県、和歌山県及び利水関係者が集まり 『紀ノ川渇水連絡会』 を開催し、取水の確保に努めている。また取水制限等実施される場合には、利水者間で一定のルールのもと取水を行い、これまで大きな支障をきたすことなく給 水を行ってきた。今後も、他の利水者の協力を得て安定給水に努めていく」

日本共産党は、大滝ダム計画の度重なる変更は国のずさんな見通しにあることを指摘し、和歌山市が主体的に国にいうべきことを言うなど、責任ある対処をこれからも求め続けます。


「障害者自立支援法」の施行目前 実態をふまえて支援の措置を求める

森下さち子市議

 自立支援法の施行から2ヶ月経過した現在、10月からの新施設への移行を控えた事業所、1割の利用料負担を控えた障害者、共に大きな不安を抱えて います。私は、市独自の減免制度を作ることや児童デイサービスでも独自の減免や子育て相談を充実すること、また新たな社会資源としての共同作業所を行政と して支えることなどを求めました。「当事者にとっては大きな負担となるなど色々な課題があり、実態を見て今後研究していきたい」「法に基づいた施設への移 行を5年以内にしようと努力する施設については、応援していきたい」と答弁しました

不公正な行政・旧同和むけ住宅家賃の減免措置の5年延長

森下さち子市議

 今年は、旧地域改善向け住宅を一般住宅と同様、法に基づく応能・応益制度の家賃に段階的にしていくという最終年度です。今後、早い時期に一般募集 をするための最大の問題は、同和向け住宅の「3割から8割の住宅家賃減免制度」を見直すための市の方針を確立することです。市は住宅施策委員会が提出した 「あと5年減免を延長する」との答申を「尊重する」というまったく不公平な立場に立っています。市は「公平公正」な住宅施策を求める市民の期待に応えられ ず、同和行政のゆがみを温存する姿勢です。
また、昨年9月議会で取り上げた古文書編纂事業への補助金500万円が正規に支出されなかったという 問題とその後の経過と市の責任ある総括を問いました。市は、主な責任が県にあるとの立場に固執しました。今後補助金交付にあたっては市の責任で確認するこ とを重視すると述べました。


大川地区へのバス配車を求めて和歌山バス(株)へ要請

渡辺忠広前市会議員

 日本共産党和歌山県会議員村岡きみ子さんとともに7月7日、和歌山バス(株)本社を訪ね、「加太・大川地区へのバスの配車」を要請しました。
日本共産党に、大川地区住民の方から「お年よりが、病院へ行くにも大変だ」「通院のためタクシーを呼び、診察を受ければ1万円も必要になる。ついつい病院への通院を控えてしまう」との相談が寄せられ私は現地の住民の皆さんを訪ね調査してきました。
河西地域は労災病院移転にともない、バスルートの変更が予定されています。和歌山バス(株)から配車ルートの変更申請が陸運局に出され、現在検討されてい ます。このルート変更に際して「バスを大川地区まで延長してほしい」との要望が、大川地区全住民の署名を添えて6月和歌山市に提出されています。
和歌山バス(株)への要請後、和歌山バス労働組合にも同様の要請をしましたが、労働組合として「公共交通事業としての役割は地域住民の足を確保し、生活を応援することだ。要望は理解できます」と要請の主旨に同意をいただきました。
住民のみなさんと関係者の理解を得て実現すべく奮闘する決意です。

市議会ニュース -2006年2月号-

 2月定例議会は3月27日に予算などの審議が終了しました。日本共産党市議団は、直川用地の活用、学童保育の拡充、貴志川線用地の取得など、これ まで共産党市議団もとりあげ、また市民要求でもあったものについて賛成しました。また生産緑地制度が4月からの実施となり歓迎するものです。一方、新年度 予算では、国の税制改定などにより27億円もの新たな負担増になりますが、市独自の軽減策がとられていません。公営住宅の空家修繕についても旧同和住宅と 一般住宅の予算配分が不公平な予算となっています。また憲法9条に反する戦時体制の「国民保護法計画」作成のための費用も含まれているため、本議会で意見 を述べて新年度予算と23議案に反対しました。次に主なものを紹介します。

直川用地活用、河北に公共施設を

河北地域に公共施設を求める住民の願いにこたえて「直川用地利用計画」が昨年策定されました。予算には「公共施設整備計画」を作成するための費用や直川用地進入路の整備など1億5千万円が計上されました。住民の皆さんの意見を取り入れた計画となるよう求めます。

貴志川線の用地買収

和歌山市民と沿線住民の強い願いであった貴志川線の存続は昨年決まり、いよいよ4月から和歌山電鐡㈱が運営することになりました。予算には、用地 買収費用や運営支援費など2億6千万円が計上されています。市議団は、「ふるさと鉄道」として再生するために行政の支援を強めることを求めます。

学童保育は新たに3校区を拡充

今年度、新たに、3校区で実施し42校区に拡充します。市議団は、まだ待機児童が多数いるもとで、解決策として空教室の活用などを提案しました。また小学校4年生以上の希望者も対象となるように拡充することを提案しています。

防災行政無線野外拡声局増設など

市内の52ヵ所・小学校区ごとに拡声局を増設し、市民に防災情報がスムーズに伝達することを目的に3億5千万円を計上しました。ほかに、防災体験の学習を促進するための地震体験車購入や地震計を市内周辺部の5ヵ所に分散設置する予算も盛り込んでいます。

小中学校の耐震補強工事を12校に

耐震診断は04年度で小学校、中学校、幼稚園、私立高校など66校園の全てで終了し、改修工事に着手しています。今年は昨年度より、耐震補強工事 を小学校4校から8校に、中学校1校から4校に増やして行い、耐震補強工事の設計委託を小学校の8校、中学校の4校で行うための予算を組みました。

市民負担は新たに27億円も増加 介護保険料約25%増に

政府の税制改定により、和歌山市の06年度予算には高齢者や低所得者を直撃する新たな負担増が含まれています。新たな負担増となるのは、個人市民 税が、前年度比で13億8千万円、介護保険料は1号被保険者(65才以上)で10億7千万円、国民健康保険料は2億8千万円、合計27億3千万円にもなり ます。市民とりわけ高齢者や低所得者の生活を直撃することとなります。

「国民保護法実施計画市協議会設置」に反対!

この計画は、アメリカの起こす戦争に日本国民を総動員することにあります。憲法9条を持つ日本は、戦争を想定した体制づくりでなく起こさせない努力こそが必要であるとの立場を日本共産党市議団は述べて5人全議員が反対。また新無所属会派の議員1人も反対しました。

日本ハム(和歌山工場)「閉鎖するな」

日本ハムは、経営計画の変更のため6月末に、黒字経営の和歌山工場を閉鎖すると発表。従業員と家族、20をこえる関連会社など雇用と地域経済に大きな不安をもたらしています。
労働組合も市長や議会に地域経済と雇用を守ることを要請しています。本議会で日本共産党は、日本ハムが業界屈指の「優良経営」にあることを経営分析から明 らかにし、社会的責任を果たさせるため市として閉鎖撤回を要請することを求めました。市長は「3月に工場に要請した」と答弁しました。6月閉鎖撤回と雇用 不安解消へこれからが正念場となります。

空家修繕の予算増額で市営住宅の入居者増を

「市営住宅に何度も申し込むが入れない」との要望が寄せられています。市議団は、議会で「予算の増額」を求め、市は「増額し戸数を増やす」と答弁 しました。空家修繕費用は一戸あたり約100万円ですが数年分の家賃収入で賄えます。さらに小規模事業により大工さんたちに仕事が増え、入居者の願いにも こたえるなど、空家修繕は「一石三鳥」の効果があります。

旧同和住宅 空家修繕予算に「不公平」

一般市営住宅の公募抽選の倍率は15倍です。来年度にむけて、一般市営住宅は254戸、旧同和住宅は33戸空家がありますが、修繕戸数はどちらも30戸ずつとなっており、この数年旧同和住宅への「予算偏重」が続いています。