市議会ニュース -2009年2月号-

 2月24日に開会された、2月定例市議会は08年度最終補正予算、09年度当初予算について、代表質問、一般質問、各常任委員会で議論、審議の上、提案されたすべての議案が賛成多数で可決され、3月25日に終了しました。
日本共産党市会議員団は、提案された41件の議案のうち22件には賛成しましたが、市民生活を支えるには不十分である、市民の利益から見て不必要である、公平・公正とは言えない内容であるため、19件については反対しました。


家庭系ごみ、資源ごみの有料化ストップ!

「減量策を先に進める」と市長が表明

2007年11月、廃棄物対策審議会が開催され、市長より「ごみの有料化について」諮問されました。審議会はのべ6回におよび、活発に議論が展開され、2009年2月18日、審議会会長より市長に答申が出されました。

「廃棄物対策審議会」答申は、まず減量策を

答申は「ごみの有料化は減量、リサイクルの推進、ごみの排出量に応じた負担の公平化を進める上では有効な手段であるが、市民にとって新たな経済的負担となるため、まず、ごみの減量やリサイクルを推進するための他の施策を実施することが必要である」との結論に達しました。

具体的な減量化策を

和歌山市はごみの排出量、リサイクル率とも全国ワースト圏内です。その原因は、減量化策を総合的に進めてこなかったことにあると答申で指摘されています。市長はこの答申を重く受け止め、「当面、減量化策を具体的に進める」と答えました。

支所・連絡所で諸証明が取れなくなる!?

現在ある5つのコミュニティセンターに南と直川の2ヵ所を加え、7ヵ所のコミュニティセンターを『サービスセンター』として、諸証明の発行を集約 しようとしています。支所・連絡所の窓口ですぐ発行できていた諸証明が7ヵ所でしか取れなくなり、コミュニティセンターから遠い市民にとって、サービスの 後退となることが懸念されています。  日本共産党市会議員団は昨年11月、窓口サービスは今までどおり支所・連絡所で継続できるように市長へ申し入れると共に、2月議会でも各単位自治会への 説明会の開催と市民への情報公開を求めました。

支所・連絡所の窓口業務は継続を

高齢者、障害のある方などにとって、支所・連絡所は、最も身近な市役所の窓口です。センターから遠いなど、希望のあるところについては、窓口業務をこれまでどおり継続するよう求めました。


代表質問
2月当初議会での代表質問には森下佐知子議員が登壇しました。昨年12月末、東京の日比谷で行われた『派遣村』の活動に象徴されるように、経済状況の悪 化を理由にした派遣切りや雇い止めが懸念されています。労働者の生活や市民の暮らしを支えるための雇用・経済対策を始め、財政難だからこそ、問われる公平 公正な財政運営について市に質しました。代表質問のうち、雇用、経済対策について、その要点を報告します。


質問Ⅰ<経済対策>相談窓口を設置

―労働相談員を雇用し 総合的な相談体制に

質問
 アメリカ発の金融危機の下、深刻な不況が日本経済や地域経済を襲っています。この急激な経済危機や景況悪化はグ ローバル化や「構造改革」などの政策によって作られたものです。構造改革の下で増やされてきた非正規雇用・低賃金労働者は格差を拡大し貧困化を助長してき ました。年間賃金が200万円以下の労働者が06年には1000万人を突破し、この10年間で200万人も増えています。
和歌山市でもこの際、雇用を失った人への社会復帰を支援する、生活を含めた相談窓口を設け、関係機関と連携をとること、使える制度を詳しく紹介するパン フレットを作成することなど、体制を強化することを検討するべきだと考えます。また、市内の雇用実態、とりわけ派遣労働者などの非正規雇用についての調査 を行い、実態に見合った具体策に生かすべきではないでしょうか。
市長答弁
 急激な雇用情勢の悪化等により派遣労働者 や非正規労働者を中心に解雇・雇い止めが行われていることから、相談窓口の設置が必要であると考えます。新年度、産業総務課に労働相談員1名を雇用し、関 係機関との連携を密にするなど、相談に来られた市民の方に適切な制度の紹介を含め労働相談業務体制の充実に取り組みます。雇用を含めた「労働実態基本調 査」については県と協議し進めます。
代表質問に立つ森下佐知子市議

代表質問に立つ森下佐知子市議

質問Ⅱ<農業政策>市街化区域指定の解除を検討

―生産緑地制度の充実を図る

質問
 地域経済の一翼を担う農業政策について、昨年11月、市に提出された市農業委員会の要望に対する市長の見解について、また、要望事項の1つである『都市農業を守るため市街化区域指定の解除と生産緑地制度の接道用件の弾力的運用』についての市長のお考えをお聞かせ下さい。
市長答弁
  農業委員会からは毎年、本市農業の発展等の観点から的確なご指摘・ご要望をいただいており、本年度は遊休農地対策はじめ諸種の要請をいただきました。新年 度、都市計画マスタープランの策定作業を開始するので市街化区域指定解除については、その作業の中で検討します。生産緑地の接道用件は今後の状況を勘案し 制度が充実するよう取り組みます。

<08年度最終補正>5億8000万円を『赤字』の穴埋めに!!

土地造成特別会計(スカイタウンつつじヶ丘)の赤字対策として、800メートルの緑道を5億8000万円で購入するという予算が計上されました。 また、来年度以降、引き続いて1000メートルを7億9000万円で購入する計画もあるということが、大艸議員の質疑で明らかになりました。この緑道はす でに作られた道路であり、本来、市道とするべきものです。また、深刻な赤字を生み出すような事業をあえて進めたのは市の失政以外の何物でもありません。連 結赤字決算を回避するためとはいえ、市民の税金で穴埋めすることは許されません。


ごみ有料化に頼らない減量施策を!

大くさ主馬市議

 市長は、8億5000万円の市民負担を伴う「ごみ有料化案」を廃棄物対策審議会に諮問したことから、日本共産党市議団は9月議会で、ゴミ減量化の ための先進地などの調査研究を踏まえた政策論戦を行いました。新婦人の会もアンケート調査に取り組み、審議会においても活発な議論が行われました。その結 果、2月18日に出された審議会答申には「まず、減量化策を進める」「市民の経済負担は避ける」「市民の自主的な取り組みへの支援策『集団回収』を進め る」などが明記されました。

集団回収は必要

市長は答申を「ごみ減量やリサイクルの推進が必要であり、市の努力が不十分」との認識を明らかにしつつ、集団回収についても「リサイクル率を高め るためには、集団回収を実施することが必要であり、団体への奨励金によって、ごみ収集経費がどれだけ削減できるのかなど調査・研究を急ぐ」と答弁しまし た。
また、4月より一部地域でごみ収集の民間委託が始まります。収集体制について当局は「3人体制を守る」と答えました。

無料・低額診療事業の拡充を!

南畑さち代市議

 社会福祉法に定める生活困難者のための「無料低額診療事業」は、医療機関が実施主体となって医療費の自己負担分を無料または低額で診療できるとい うものです。不況にあえぐ市民の暮らしの状況に視点を置いたセイフティネットの充実のためにも、この事業の周知と活用が求められています。
「無料低額診療事業」の基本的な認識、制度の有効性、今日的な必要性についての基本的な考え、また、現在、和歌山市に「無料低額診療事業」の認可を受け ている機関の有無や申請状況について質しました。「無料低額診療事業の認可を受け実施しているのは医療機関および介護施設それぞれ1施設ずつあり、事業開 始については、昨年11月に1件、相談があった」と答えました。市は「本市の利用数からみても、引き続き一定の役割を担っていると認識しており、経済危機 の渦中で困難を極めている方へ、救済の一選択肢として関係機関と協議し検討する」と答えました。

ホームレスの自立支援
―健康診断と医療の提供は不可欠

また、ホームレスの方の健康診断と医療にかかっている実態についての問いには、「毎年1回、支援団体を通じ、希望する方を対象に健康診断、医療の 提供を行なっている。治療が必要な方は生活保護で対応しているが、受診が阻害されないよう周知をはかり自立支援に取り組む」と答えました。

ミニボートピア設置は中止せよ!経営者自らが責任ある説明会を

渡辺ただひろ市議

 1月に業者(六洋エンタープライズ)より地域に対し、説明会がのべ5回行われました。説明会には地元本町地区をはじめ周辺地域の住民も積極的に参 加し、様々な意見が出されましたが、十分な説明会だったとはいえないことから説明会のあり方、国交省の基準への認識などを質しました。
市長は住民説明会について、「責任ある立場の経営者が改めて説明会をやり直すべき」という声に対し「説明会を開催する日によって内容が変わる、あるいは 説明不足ならば再度住民に誤解や不安を与えることのないように、十分な説明責任を果たさなければならない」と答えました。

地元同意の範囲はあくまでも国交省基準

ボートピア設置計画における「所在する自治会等」の同意の範囲について市長は「国における地元調整の要件は、ミニボートピアだからといって縮小してもよいとは考えていない。あくまでも、国交省基準に準ずるもの」と答えました。