和歌山市長選挙にあたって
2006年6月23日
日本共産党和歌山県委員会
7月30日投票で和歌山市長選挙がおこなわれます。4年前、乱脈・腐敗・市政私物化の旅田市政を終わらせようと市民の良識が結集して、大橋建一氏 が市長に当選しました。この4年間に、旅田前市長は収賄や背任容疑で逮捕、起訴され、いずれも有罪の判決(一審)が下され、背任容疑の「石泉閣」事件では 2億5500万円を市に返還するよう命じる判決(同)もでています。こうした経過は、乱脈市政の継続を阻止した市民の判断が正しかったことを示していま す。
新たに誕生した大橋市政は、財政破たんを招く公立大学計画の白紙化、「石泉閣」事業の廃止など、乱脈市政の残滓を一掃するとともに、大学計画の白 紙化で生じた財源も活用しながら、小中学校舎の耐震診断と耐震改修工事をおこなってきました。廃線の危機に見舞われた貴志川線の存続は、貴志川町や県とも 協力しながら、沿線住民の公共交通機関を守る決断として、市民から歓迎されました。この4月から市独自の生産緑地制度が実施されたことも、市街地農業と農 地を守る前進面です。また、同和対策では「個人給付事業」(固定資産税などの一律減免)を04年度末で廃止しました。6月市議会に小学生の入院費の全額助 成を提案しました。
その一方で、歴代市政のムダ遣いや地方交付税の削減がおこなわれたとはいえ、市財政からすれば僅かな金額である障害者共同作業所への補助金の削 減、基本健診などでの市民負担の引き上げ、老人医療助成制度の後退、入院給食費助成の削減、紙おむつ支給事業の縮小、若年勤労者向け家賃補助の廃止など、 市政の根本である市民の福祉を守る施策を後退させたことは重大な問題です。
日本共産党は4年前の選挙において、乱脈政治を改めるなどの4点で「和歌山市をよくする会」(大橋氏の選挙母体)と合意、市民にも公表して大橋氏 に協力しました。しかし、大橋市政のおこなったあいつぐ福祉施策の後退は、「市民に犠牲をおしつける市政をおこなわない」との合意項目に反するものであ り、きわめて遺憾です。
このほか、大橋市政が国の「地方行革」路線そのままに、市立幼稚園の統廃合、保育所の民間委託の強行、水道事業での民間委託を拡大させてきたこと も問題です。同和公営住宅での家賃の一律減免、必要のないエレベーター管理人報奨金など、不公正な同和行政が是正されていない問題もあります。
日本共産党はこのような大橋市政にたいし、「良いものは良い。悪いものは悪い」という是々非々の態度でのぞんできました。
和歌山市では、旅田氏が最初の市長就任時に多数の後援会員を市の外郭団体職員として採用したり、旅田氏の後を継いだ尾崎吉弘氏が職員採用にかかる 収賄事件で逮捕されるなど、歴代の市長が汚職やスキャンダルにまみれ、市民の強い批判を受けてきました。大橋市政の4年間に、市長自身にまつわる利権や腐 敗事件が起きていないことは、清潔な市政を求めた市民の願いに応えたものであり、利権・腐敗を許さない市政の継承が求められています。
今回の選挙には自民党県議、市民犠牲の「地方行革」徹底を主張する無所属県議、収賄・背任で有罪判決を受けた前市長などの出馬が予想されていま す。日本共産党は、今回の選挙にあたって「利権・腐敗・乱脈市政の復活を許さない」という立場から、候補者を立てないという決定をしました。選挙後の市政 に対する態度も、是々非々の立場でのぞみます。小泉政権による「弱肉強食」、「格差」社会から、市民の暮らしを守る和歌山市政をすすめるために、日本共産 党は今後とも奮闘するものです。
以上
日本共産党和歌山県委員会が発表した、和歌山市長選挙にあたっての見解は以下の通りです。
記者会見にのぞむ 竹内良平県委員長(右)と大艸主馬市議団幹事長(左)