2022年9月議会

「本市における保健医療体制について」

 コロナの感染拡大により、入院が必要な病状でも入院できないといった事態が和歌山市でも起こりました。
 保健所や医療機関のひっ迫を招いた背景には、政府が進めてきた、保健所の統廃合、地域医療構想にもとづく病床削減、診療報酬の抑制などが関係していることは明らかです。全国では、ここ20年ほどで、保健所は半減、感染症病床は9210床が1882床まで減らされてきました。本市でも3か所あった保健所は1か所に、64床保有する感染症に対応した城南病院がなくなったことを考えると、大きく環境は変わっています。本市の感染症病床はたった8床という状況でコロナの感染拡大が起こりました。
 新型コロナウイルス感染症は、公衆衛生上の課題であり、公衆衛生は憲法25条を根拠にしています。誰もが、健康で文化的な最低限度の生活が送れるように、公的責任で、生活の場に、福祉も社会保障も公衆衛生も網の目のように張り巡らせることが必要です。
 市民のいのちを守るために必要な病床数の確保と人員の確保を、きちんと次の地域保健医療計画に位置付けるべきです。
 また、保健医療体制の強化を進めていくには、診療報酬の抜本的な引き上げなど、財政支援は欠かせず、国へ求めていくことも大切と考えます。

問:
 市民の命を守る保健医療体制にしていくために、市として財政支援等の強化を、国へ求めていくべきだと思うが、市長はどう思うか。
答:
 地域の実情に応じた保健医療体制となるよう関係機関を通じて国へ要望する

「排除ベンチについて」

 ベンチの真ん中に仕切りがあり、横になろうと思っても仕切りが邪魔をして横になれない、このようなベンチは、ホームレスが長時間滞在できないようにする意図があることから「排除ベンチ」と呼ばれています。
 仕切りのあるベンチは、体調が悪くなったときに、横たわることもできないし、赤ちゃんのおむつを変えることもでない、多くの人にとっても居心地の悪さや不便さを感じさせているのが現状です。
 排除ベンチは、市駅前広場や市内の公園にたくさんあります。このような現状から、優しいまちづくりとはどういったものかを考えようと質問をしました。
 福祉局長は、仕切りのあるベンチを「排除の意図はなく、バリアフリーの観点から高齢者の立ち上がりに配慮して採用した」と答弁しました。
 「バリアフル(バリアがいっぱい)」という言葉がありますが、ホームレスを排除する目的がないのなら、これはつくり手の無自覚がもたらす「バリアフル空間」と言わざるを得ません。こういったものは、不寛容と想像力の欠如が生み出していると私は思います。
 公共施設をつくるとき、他者の視点をもって、『利用者の立場』を想像すれば、バリアの種を減らすことはできます。まずは、無自覚に作られた足元のバリアに気づくことから、住みやすいまちづくりとはどういったものか、改めて考えていかなければならないと思います。