2020年6月議会報告

<生活保護行政について>

 新型コロナウイルスの感染拡大によって市民の暮らしは大きく変化した。新型コロナウイルスは感染対象を選ばないが、感染拡大による犠牲は日の当たりにくいところで生きつないできた方など社会的弱者の方々に容赦なく降りかかり、この国の社会保障の水準と在り方が問われていると痛切に感じる。
 そういったなか、いまやらなければならないことは、急増する生活困窮者へ生活保護制度をはじめとした制度・施策をしっかりと周知しその活用を呼びかけることだと思う。新型コロナの問題が深刻化してから、厚生労働省は生活保護の運用について柔軟な取扱いを認める事務連絡を、この間各自治体に対していくつも出している。この事務連絡には、保護の申請をしに来た人に、申請権を侵害するような、「もしや水際作戦か?」と疑われるような対応をしてはいけないということが示されていて、さらに、5月8日にも再度、申請権を侵害することなく適切に対応することを徹底するよう事務連絡が出されている。
 コロナ禍のもとで大変重要な事務連絡で、この内容を徹底し今まで以上に早急に保護につなげていかなければならないと思う。そして、こういった業務を行っていくには、人員の強化も必要で、しっかりとした体制で、取り組むことも重要だと考える。以上踏まえて質問をした。

Q:
 コロナ禍で申請件数が増えているがケースワーカーの体制はどうか
A:
 1人のケースワーカーが対応する保護世帯数は約108世帯で前年度より6%減少している
Q:
 厚労省の通知を市民に広く伝える必要があると思うが広報はどのようにしているのか
A:
 当通知は生活保護担当課に対しての事務連絡であり、広く市民に広報するものとは考えていない。生活相談に来られた方や非保護世帯には十分な説明を心掛けている

<特別定額給付金給付事業について>

 一律10万円の特別定額給付金は、いち早くわかりやすい支給を願う、多くの国民の声が実現させたもので、新型コロナ緊急事態宣言のもと、日本に住むすべての人が暮らしに影響を受ける中、感染防止拡大に協力するすべての人に分け隔てなく届けるものである。今回の特別定額給付金は、簡素な仕組みで迅速、的確にという目的のもと、住民基本台帳への記録のある人を対象にしているが、さまざまな理由で、住民登録ができない実態がある。ホームレス状態にある方は住民基本台帳に記録がないケースが多いが、こういった事情を持つ方こそ、早急に給付が必要なのではないかと思う。市はこういった事情を持った方々をどこまで把握され、全市民への給付に向けてどう取り組んでおられるのか。今回の特別定額給付金は閣議決定された「緊急経済対策」の趣旨を踏まえ、総務省から通知された情報をもとに市町村が活用しているわけだが、この間も、その内容では給付が行き渡らないということで、当事者や支援団体が声を上げ、DVなどで避難している被害者や一時保護児童、ホームレスの方々にもいきわたるように、そのつど追加の情報を事務連絡やQ&Aで示している。法律で決まっているというのではなく一つの政治的判断で、必要な方すべてに給付が行き渡るようにさまざま議論され変わってきている。和歌山市に住む給付を希望する方すべてに給付金が届くよう、市としても策を講じ、国へも働きかけるよう強く要望した。

Q:
 住民登録ができない事情を持つ方への給付について市長はどう思うか、市として策を講じるべきではないか
A:
 国や支援団体等と連携し、できるだけ住民登録しやすい環境を整え、給付金を受けていただけるよう取り組みたいと考える