市議会ニュース -2009年12月号-

 12月定例市議会は、11月25日から12月15日まで開かれました。市から提案された補正予算を含む22件の議案が賛成多数で可決されました。 日本共産党市議団は、市営住宅に指定管理者を導入することは公的責任を果たす上で問題がある議案や青岸エネルギーセンターのボイラー補修契約が独占的と なっている議案など3件に反対しました。  また、10月に行われた08年度公営企業決算審査と08年度一般会計・特別会計決算審査についての認定は問題点を指摘し、いずれも認定に反対しました。


渡辺ただひろ市議

スポーツ施設が老朽化!!

「予算を確保し整備する」と教育長

土入市民体育館

土入市民体育館

和歌山市には12の屋内スポーツ施設・体育館がありますが、一番古い体育館は松下体育館で築後40年以上が経過し、多くの施設は老朽化していることを指摘しました。教育長は「教育予算を十分確保し、施設の整備充実に努める」と答弁しました。
また屋外スポーツ広場には「管理棟」がないことを指摘しました。教育局長は「必要性が高まっていることから、検討をする」と答弁しました。

環境管理に市民参加を!

「市環境マネジメントシステム」(EMS)について、八王子市が取り組んでいる「環境システム」(LAS―E)の「チェック方式」に基づく取り組 みを紹介し、ゴミ減量化に市民参加を要請しました。このシステムは、市民参加を原則とし、市民の環境意識を高める運動促進を基本としています。
和歌山市が取り組む「環境管理システム」に設けられている「環境監査チーム」に広く市民の参加を促し市民と一緒に運動を進めることを提案しました。
市は、「市民参加を推進する」と答弁しました。


南畑さち代市議

後期高齢者医療制度は直ちに廃止!

新政権の公約先延ばしを批判

新政権となりましたが、高齢者の方々が期待した後期高齢者医療制度の廃止は先送りされます。負担増に耐えられないという怒りの声や実態を示し、資格証明書に対する認識や70歳~74歳の窓口負担の「凍結解除」に対する見通し等について質問しました。
市長は「制度の存続は基本的にはやむをえない。高齢者に十分配慮した制度の改善策を市長会を通じて国に要望していく」、資格証明書については「10月 26日付厚労省通知では十分な収入があるにもかかわらず保険料を納付しない悪質な場合のみ交付。原則的に交付されないものとなっている」と答えました。
また、70歳から74歳の医療費の窓口負担については「2割となる可能性のある方は、約1万7000人。「凍結解除」により被保険者の自己負担は年間約 5億5000万円増と見込まれる。市として国の動向等を踏まえ情報収集に努めるとともに、自己負担が増加しないよう国に要望していく」と答弁しました。

ヒブワクチンの接種!

「補助は他市を調査」と答弁

b型インフルエンザ菌による細菌性髄膜炎は主に0歳から5歳までのこどもに発症します。罹患する(年間約600人)と死亡(5%)あるいは重症と なり後遺症(20%)が残ることもあります。有効とされているヒブワクチンは、世界で120カ国が定期接種となっています。日本は任意接種で、5歳までに 4回接種しようとすれば、3万円もの自己負担が必要になることから、全額補助や一部補助を決めた自治体があります。
和歌山市も国に定期接種を求めると同時に実施までの間、市独自の補助を求めました。市長は「ヒブワクチンの有効性は認識している。市独自の補助は他市を調査しつつ検討していく。」と答弁しました。


大くさ主馬市議

来年度<2010年>予算編成へ提案!

市民生活を守れ、旧同和事業の終結を

予算編成にあたっての重点方針は、市民生活を踏まえること、教育予算を確保すること、とりわけ旧同和事業をただちに終結し不公正をただすことを求めました。
市長は「生活保護数の増加など、市民生活は厳しい、市民生活の安定につながる施策を中心に長期計画に掲げる将来の都市像の実現に取り組む」。教育長は 「教育予算は費用効果がすぐに表れるものが少ないが、一般会計全体の10%を確保できるよう努力し子どもの安全・安心な学習環境、学校教育・家庭教育・社 会教育の創造、生涯学習、文化・スポーツを振興する」などと答弁しました。

国保の減免制度拡充を!

「貧困と格差」是正のため国保の減免制度の拡充を求めたところ、市長は「厳しい財政状況を考慮すれば困難だが、加入者の負担を軽くするため、充実を図りたい。総合的に勘案して検討する」と答弁しました。

<浸水対策>見舞金支給の改善を!

11月の集中豪雨により、かつてない被害が出ました。床上浸水の世帯への見舞金制度は、和歌山市だけでなく県にも制度があります。一体的支給と、り災者の総合対策窓口の設置を求めました。


森下さち子市議

学校給食に「民間委託」はなじまない!

「安全安心」の保障は、やっぱり直営で!

議会の傍聴に(11月30日)

議会の傍聴に(11月30日)

行財政改革として学校給食に「民間委託という請負形態」を導入しようとしているが、これまで築いてきた栄養士・調理員・教員という学校全体で子供 を育てようというチームワークや一貫性を断ち切ってしまうおそれがあり、教育委員会が「公的責任」を果たすことが出来ないと指摘しました。
教育委員会は、「民間委託すれば業務上、直接、調理員に指示できないという課題は残る」と答弁しましたが、来年度から3校の実施撤回は表明しませんでした。
また、現在小倉小学校の育友会や連合自治会のみなさんへの住民説明について質問したところ「誠意をもって説明にあたる」との市長からの答弁がありました。

「偽装請負」を一部認める!

本会議で教育長が答弁

「9月議会では偽装請負はないと断言したが現時点での認識はどうか」との質問に対し、現在実施している「民間委託(単独校は貴志・貴志南小学校、 共同調理場は8校)」について、契約内容を精査したところ「一部適切でない」ところがあったので「改善に努める」と教育長が答弁しました。


08年度決算認定に反対

大艸主馬市議の反対理由の要旨は次のとおりです。

第1に 教育予算について。
 総額127億円(予算比率10%)の内20億円はつつじが丘の赤字対策のため土地購入にあて、一方で4800万円もの不用額(未執行)があります。教育予算は「未来への投資であり」必要な予算は確保されるべきです。
第2に 市民の健康について。
 国保会計の成人保健対策費で2000万円もの不用額(未執行)が出ましたが、これは特定健診受診率が10%と大幅に下回ったためです。当局は「基本健診と比べ検査項目の減と自己負担額が2000円となっているから」との認識を示しましたが、改善が求められます。
第3に 公正・公平の行財政運営について。
 旧同和対策事業は直ちに廃止すべきです。旧同和住宅・改良住宅に限った家賃減免制 度(年間3億数千万円)、不必要なエレベーター管理人報償費、また文化会館職員の異常に多い残業時間(一人当たりの年間約190時間)など改善されていま せん。住宅3貸付金は9億円もの実質赤字で、長く放置し問題解決を遅らせてきた当局の猛省を求めます。
第4に 特別会計について。
 土地造成事業の赤字対策として、20億7000万円のテニスコート、緑道5億8000万円、菜園6億9000万円、一般会計からの繰入金9億円を含め42億4000万円を充てましが、本来は教育や生活道路などに使うべきものです。以上を申し述べ反対討論と致します。

 08年度公営企業会計(水道)の決算認定にたいして、渡辺忠弘市議が反対討論を行いました。要旨は、9月県市議会だよりに掲載しています。


「ごみ減量、リサイクル」への提案

08年の9月議会で、党市議団は、ごみ減量の先進都市である名古屋市、長野市の視察を行い、和歌山市に諸施策を提案しました。09年は、市民参加 などの独自策を進めている町田市、八王子市の視察を踏まえて、和歌山市がごみ減量で先進都市の仲間入りが出来るように、現状と今後の方針について4人全員 が一般質問を行いました。
次に、主な点を紹介します。

1 ワーストクラス脱却へ、おもいきった目標の設定を

来年度の基本計画策定へ反映

来年度、和歌山市は、基本計画を見直します。和歌山市のごみ減量の現状は、中核市でワーストクラスが長く続いています。その原因は、ワーストクラ ス脱却の思い切った目標を設定せず、独自施策が乏しいことにあります。行政が、市民の協力のもと独自施策の策定と実施におけるイニシアティブ発揮が欠かせ ません。
市長は「思い切った目標を設定する」と答弁しました。

2 職員参加の組成分析を開始

ホームページや広報で市民に公表します

分析する職員

分析する職員

「組成分析」は家庭ごみや事業系ごみに、資源リサイクル可能な「紙、廃プラ」などの混入状況を分析し、市民や事業者に公開しつつ分別と減量施策をすすめるためのものです。
08年9月議会で党市議団は、職員や市民参加で取り組んでいる先進都市を紹介し、実施を提案。和歌山市は、09年度職員参加で6回実施し、公表するとしています。(写真は、7月の作業状況)

3 事業者向けのパンフレットを作成し、減量計画の提出を求める

和歌山市の多量排出事業者にたいして「減量計画書」の提出を求める条例がありますが、事業者からの提出はありません。
市長は「パンフレットを作成し、事業者に減量計画書の提出を求める」と答弁をしました。

4 150基に3倍化。生ごみ処理機購入費補助

たい肥化により減量の効果

家庭ごみの減量をすすめるうえで、生ごみのたい肥化と水切りが必要です。09年、市は生ごみ処理機の購入補助を3倍に拡大しました。
利用されている方々のアンケートによると6割以上の方が、たい肥化に利用し、減量効果が高まっているとの答弁でした。

5 集団回収の来年度実施へ要綱を作成し、準備をすすめている

長野市で30年、隣の海南市では15年も実施されている、「集団回収」について08年9月議会で和歌山市も実施することを提案しました。
和歌山市は、他市の実情を調査研究したうえで、「来年度からの実施にむけて、要綱を作成し準備している」と答弁がありました。


「白紙撤回」求める請願を提出!

小倉小学校育友会と連合自治会の連名で、また「和歌山市の学校給食を考える会」からそれぞれ、民間委託の白紙撤回を求める請願が提出されました。 いずれも、給食を作る調理員は教育の一環であり学校全体のチームワークで給食を作っていることや民間委託による低賃金労働では決められた契約内容のことし かできないことなどにより、直営での給食を望むこと、また、小倉小学校育友会からの請願は事前に何の報告もなく突然の発表であり、見切り発車せず、十分な 説明責任を果たすよう求めることが理由とされています。委員会審議を経た本会議では、8議員の賛成少数で不採択となりました。
この請願の趣旨に賛同する署名は、短期間の取り組みで小倉から約4136筆、給食を考える会から約2000筆が提出されています。

08年度決算認定の反対討論を大艸主馬市議

日本共産党を代表して08年度決算認定に反対の立場から討論を行ないます。
自公政権の構造改革路線の下で長引く不況、雇用破壊が深刻となり年々働く人の可処分所得は減少しています。それに追い打ちをかけるように医療、教育などの市民負担増の中で住民の暮らし福祉を守る財政運営が求められたところです。
決算審査終了後、当局より会計検査院による会計実地検査の結果03(H15)~07(19)年度までの国庫補助事業のうち国土交通省、農林水産省の需要 費、旅費、人件費において不適正な会計処理が指摘され国に返還する旨の報告がありました。検査日は4月13日~17日、再検査日は6月24から26日まで でした。議員に報告があったのは11月11日で、その後08年度分について自主精査の結果でも不適正な会計処理があり、国に返還する旨の報告がありまし た。
本来委員会に報告すべきもので決算審査終了後の報告自体決算認定に値しないものである事を指摘しておきます。以下問題点を述べます。
第一に、毎年一般会計の10%をきっている教育予算については10・05%の127億8569万8千円です。その内20億74百万円はつつじが丘の赤字対 策として突然国体用公式テニスコ-トの土地買収で8%台が10%台になったものです。当初予算において小学校需要費はこれ以上削り様のない予算という説明 でした。ところが予算の9・6%に当たる4800万円余の不用額があり、教育現場での使用抑制の表れとも考えられます。本来、教育予算は未来への投資であ り必要な予算は確保されるべきです。放課後児童健全育成事業の待機児童数20人とのことでした。当初からあきらめて申し込みをしない潜在的待機児童は調査 されず、実態把握の上希望者全員入所できる受け皿づくりを早急に進めるべきです。
第2に市民の健康に関して、国保会計・成人保健対策費で 2039万円と多額の不用額がでたことは特定健診受診率40%目標が10%と大幅に下回ったためです。この原因として当局から基本健診と比べ検査項目の減 と自己負担額が2千円となっているからとの認識がしめされました。後期高齢者医療制度導入など国による医療制度改悪とともに受診料負担が高い事によるもの で検査項目の拡充と負担の軽減が求められます。
又、累積赤字が53億7800万円から43億7500万円となり単年度黒字10億円余であり市独自の保険料減免制度の拡充こそ必要です。
第三に毎年指摘してきた、公正・公平の財政・行政運営の観点から旧同和対策事業は直ちに廃止すべきだという点についてです。
旧同和住宅・改良住宅に限った減免が年間住宅家賃で3億数千万円をはじめ、エレベ―タ-管理人報償費、子ども会、企業センタ-補助金などなど、又、児童館 職員の残業時間も一人当たりの職員年間約140時間に対し190時間と極めて多いことも改善されていません。住宅改修資金・住宅新築・宅地取得資金各種貸 し付け事業で収入未済額でそれぞれ1億9600万円・3億4326万円・1億8155万円、実質赤字でそれぞれ1億172万円5億3258万円2億570 万円と自らの資産を増やした資金でありながら返済改善されていません。長く放置してきた事が問題解決を遅らせてきた大きな原因となっており市長を初め当局 の猛省を求めます。
第4に特別会計についてです。土地造成事業の赤字対策で教育委員会では20億7400万円のテニスコート、緑道5億 79763千円、菜園6億9365万円がつかわれました。これはm当たり119千円と一般売り出し価格35800円と比べても全く整合性のない簿価価格に よる購入です。一般会計繰入金9億円を含め実に42億4700万円となります。これは本来、教育・生活道路などに使うべきものです。これは一般財源を大き く圧迫するものであり認められません。
下水道事業会計については使用料収入27億8700万円、運転維持費25億5250万円、更に、一般会計 からの基準外繰り入れ8億円を含め安定的に単年度で汚水処理事業を継続できるようになっています。元々公共下水道の遅れが多額の投資につながっている事か ら、一般会計からの基準外繰り入れの増額とともに国・県に働きかけ公債償還を進めるべきではないでしょうか。水洗化率が77%であり普及率を上げるために も使用料引き上げはすべきでありません。
駐車場管理事業会計は7億円余の赤字を9億5784万円と2億円余もの赤字を増やしました。市民に過大な効果を示し大型開発を進めた結果、ツケが赤字となって表れた物です。国の方針に唯諾々と迎合してきた当局の姿勢が問われます。以上を申し述べ反対討論と致します。

以上