新型インフルエンザの感染拡大防止に関する緊急の申し入れ

2009年5月28日

和歌山市長
大橋 建一様

日本共産党和歌山市会議員団
森下佐知子
大艸 主馬
南畑 幸代
渡辺 忠広

新型インフルエンザの感染拡大防止に関する緊急の申し入れ

住みよい街づくりと市民生活の安全のためご尽力されていることに敬意を表します。
さて、昨日和歌山市においても新型インフルエンザの感染者が確認されました。市長を先頭に、全庁あげた体制を確立し感染拡大防止につとめつつ、市民に迅 速な情報を提供するとともに冷静な対応をよびかけられました。ひきつづき関係機関との連携を強め、市民の不安解消と感染拡大防止に全力をあげて臨まれるこ とを要望いたします。
日本共産党市会議員団といたしましても市民生活の安全と健康を守るため市民から寄せられる要望を適時、関係機関にお伝えし感染拡大防止に努めるものです。
そこで、感染症の広がりが懸念されるもとで、だれもが受診できるようにすることが必要となっています。無保険世帯の方々が受診抑制につながらないよう、い ま全国の自治体で緊急措置として短期証を発行する対策がとられつつあります。和歌山市としても迅速に対応されることを次のとおり要望いたします。

一、新型インフルエンザの感染拡大防止における、受診の機会を保障するため、緊急措置として資格証明書の発行世帯にたいして、短期証を発行することを要望します。

以上

ごみ減量への提言・日本共産党市議団の政策論戦」(下)

日本共産党和歌山市会議員団事務局長 小薮 真一

2、日本共産党和歌山市会議員団のごみ減量問題の調査研究と政策論戦

前回では(上)、市長が09年度から「ごみ有料化」の実施を提案したが、和歌山市廃棄物対策審議会が「ごみ有料化する前に、まずごみ減量を」との 画期的な答申を出したことにより「ごみ有料化」から「方針転換」したことを述べました。今回(下)は、党市会議員団が08年9月定例議会で市会議員団の4 人全員が、和歌山市のごみ減量とリサイクルをすすめるための提案をし、「ごみ有料化」に正面から反論し政策論戦を行ったことについて述べます。

1、和歌山市のごみ問題の現状、なぜ「ワーストクラス」で低迷か?その原因。

和歌山市のごみ問題の現状は、ながく「ワーストクラス」で低迷しています。2006年度ごみ排出量は1,308g(一日一人当たり)で39の中核市 の中でワースト3位、リサイクル率は9.5%でワースト5位です。ちなみに、中核市平均が、排出量1,147、リサイクル率19.5%ですからいかに立ち 遅れているかわかります。ごみ処理経費は、07年度が45億6千万円です。現在二つある焼却施設の建て替え時期もせまっています。
なぜ「ワーストクラス」が長く続くのでしょうか。その原因は、6年ぶりに改定した和歌山市の「廃棄物処理基本計画」(2007年2月)にあります。この基 本計画には、3つの問題があります。一つは、環境省や政府いいなりの姿勢で、01年の処理計画ではリサイクルプラザ建設、07年の処理計画では「ごみ有料 化」を目玉施策としてきたことです。2つ目は、ワーストクラスを脱出するための数値目標が極めて低いことです。3つ目は、県内外の先進施策に学ばず、和歌 山市としての独自策が乏しいことです。この3つの問題のうち、1つ目は、全国的傾向でもありますが、和歌山市が脱出するための目標が極めて低いことと特に 独自策が乏しいことが決定的な原因だといえます。実は、この計画を達成したとしても「全国ワーストクラスから脱出できない計画である」ことについて、市長 自身「当面この基本計画の目標と計画を実行する」と述べています。〈表1参照〉

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2、08年9月市議会で4人全員が「ごみ減量」の提案

和歌山市の目標数値が低いことと特に独自策について市会議員団は、全国と県下のすぐれた施策を視察調査し9月議会に提案し「ごみ有料化」に頼らないでもごみ減量が可能であることを正面から政策論戦しました。4人の提案は次のとおりです。

(1)森下佐知子市議は、「ごみ減量推進へ三つの提案」として①市民・事業者・行政が一体となって進めること、②ごみの現状、特に「組成分析」を市 民に公表すること、③市民参加で数値目標と実施計画をつくることを提案しました。とくに、和歌山市は、これまで「組成分析」について「ごみ処理基本計画」 にも市民にも公表したことは一度もなく、まさに08年9月議会が初めてでした。県内外のごみ減量先進自治体では、「組成分析」は広く市民に公表されていま す。長野市では、「ごみ減量ガイドブック、家庭編」でも円グラフで紹介し、生ごみが43.1%、紙類17.9%、プラ容器5.9%など含まれていることを 公表し、家庭ごみの分別が家庭から強まりごみ減量の促進につながっています。
〈用語1参照〉〈表2長野市07年家庭ごみの組成分析円グラフ〉

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(2)南畑幸代市議は、「家庭ごみ、生ごみの減量への三つの提案」として①生ごみの「水きり」を促進すること、②電動生ごみ処理機などを活用するこ と、③生ごみに紙や布を混入せず分別することを提案しました。特に、橋本市が電動など生ごみ処理容器の購入補助をすすめながら生ごみのたい肥化によるごみ 減量を促進していることを紹介し、和歌山市の購入補助の拡大を求めました。橋本市では、地域の区単位で、電動生ごみ処理機や、EM容器、コンポストの購入 補助と「たい肥化」をすすめ、ごみ収集回数を2回から1回に減らす施策をすすめています。橋本市内の100以上の区のうち約30%の区が実施し、この結 果、約1千万円の経費を削減しています。〈表3参照〉

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(3)渡辺忠弘市議は、「事業系のごみ減量、リサイクルへの3つの提案」として①事業者ごみ減量計画提出条例を活用すること、②事業系の組成分析を 公開し資源分別をすすめること、③CO2削減目標はごみ処理にも設定することを提案しました。特に、長野市では、大量排出事業者の「減量計画書」の提出を すすめ、193対象業者のうち90%・172事業者が提出しています。和歌山市は、8年前に条例が制定されていたにもかかわらず対象者事業数すら把握せ ず、提出率はいまだにゼロとなっています。和歌山市の事業者との協働が極めて遅れています。と同時に市長が先頭にたって取り組んでこなかった責任も大きい といえます。(大量排出事業者とは、長野市が1日50㎏、和歌山市が1日20㎏もしくは月600㎏以上) 〈表4参照〉

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(4)大艸主馬市議は、「資源リサイクルと分別めざす3つの提案」として①集団回収の実施で資源リサイクル率を高めること、②集団回収で財政効率を 高めること、③和歌山市の7分別をさらに拡大することを提案しました。とくに、集団回収は隣の海南市では94年からとりくみ52団体が、紙・アルミ缶など の回収に取り組み、1㎏あたり4円の奨励金を市が支給しています。和歌山市は、集団回収を基本計画で掲げていますがいまだ実施方向があきらかとなっていま せん。また、かつらぎ町は17分別、名古屋市は17分別で全国でも、分別が拡大されていますが、和歌山市は7分別のままです。〈表5参照〉〈用語2〉

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以上4人が本会議でごみ減量・リサイクルの提案をし和歌山市のごみ減量独自策反映することを求めました。そしてなによりも、市民参加の「ごみ減量委員会」などを設置し目標数値と計画を再確立することが必要だと提案しました。

3、先進施策を学ぶための党市会議員団の視察・調査

党市会議員団は、市当局の「ごみ有料化」提案を受けてた当初の議論では、有料化に反対すべきであるが、市民の一部に「有料化はやむをえない」との声 もある。ごみ減量施策で党市会議員団として市民の願いにどうこたえるか、そのためにどう政策イニシアチブをとるかと議論しました。そして、党市会議員団と して「ごみ有料化問題、学習交流会」を市会議員団が開いたおり、参加者から「8憶5千万も有料化で市民負担が求められるということだが、私たちがどれだけ ごみ減量に協力したら市は有料化しなくてもいいか聞きたい」との声が出されました。党市会議員団はこの声を正面から受け止めようと討議し、そのためには2 つのことに力を注ごうということになりました。1つは、和歌山市のごみ問題の現状と市の施策はどうであったのかその問題点はどこにあるかです。もう1つ は、県内外のごみ減量先進都市のすぐれた施策を徹底的に視察調査することにしました。党市会議員団は、市当局が、有料化導入を09年度としていることか ら、最大の山場は9月議会であると設定し取り組みを進めました。さまざまなデーター収集を行いました。インターネットで他市の「基本計画」を取りだしては 調べることから始まりました。そして08年の夏に県内外の先進施策を学ぶため視察・調査の自治体を次のとおりに定めました。
和歌山県下では、橋本市、海南市、かつらぎ町です。
橋本市は、電動生ごみ処理機、コンポストでたい肥化を促進し諸経費を約1千万円(試算によれば)の削減となります。かつらぎ町は、「ギューと搾って1千万 円」の経費削減につながっています。海南市は、集団回収が1994年から15年も継続して実施され成果をあげています。和歌山市の隣で有料化に頼らず資源 リサイクルに取り組んでいたことに驚きと、全く知らなかったことに恥ずかしさを感じました。
県外は、大都市の名古屋市と人口が和歌山市とほぼ同じ中核市の長野市です。
名古屋市は、223万人の大都市ですが、約5年で30%ごみを削減しました。長野市は、庁内の廊下に8分別ボックスがあり、役所が減量・リサイクルの先頭に立っています。
私たち、日本共産党市会議員団は、視察と調査を通じて、有料化に頼らずともごみ減量は可能であることに強い確信を得ました。また、市民・事業者・行政が一 体となって取り組みを進めるなら「ごみ減量・リサイクル先進都市・和歌山市」の実現も可能であるとの確信を持ちました。この小論をまとめるにあたり、県内 外の視察・調査にご協力いただいた自治体関係者や説明をしてくださった住民の方々、また現地の日本共産党議員のみなさんのご協力にこころより感謝いたしま す。
名古屋市と長野市の視察調査からの帰路、車中で「ごみ半減宣言和歌山市をして、成功すれば、焼却施設2基のうち、一基の建てかえはいらない。そうすれば数 10億円が縮減できる。その分を社会福祉の施策に生かせる。」などとわくわくする議論を交わしました。この車中の会話が、夢で終わらないようこの小論を整 理しながら決意を新たにしているところです。3月末に、日本共産党市会議員団は、08年9月議会の4人の議会質問と提案をもとに冊子として完成したところ です。「ごみ減量・リサイクル編提言」の冊子をあわせて、多いに普及し活用を進め奮闘したいと思います。

以上


【用語1】組成分析(そせいぶんせき)

焼却ゴミを減らすため、事業系と家庭系に分けて、紙、ペット、廃プラなど資源化できるものの割合を明らかにし公表する。市民と事業者が意識し、ごみ減量、分別、資源化の促進につながる。名古屋市・長野市などで市民向けの広報を発行している。

【用語2】海南市の集団回収

94年度に「集団回収奨励金」を制定。自治会など52団体が、集団でアルミ缶や新聞紙などを回収し、市が1㎏4円の奨励金を支給。この制度は資源リサイクル、分別意識、財政効率を高める「一石三鳥」の効果があり全国に広がっています。

ごみ減量への提言・日本共産党市議団の政策論戦」(上)

日本共産党和歌山市会議員団事務局長 小薮 真一

はじめに

大橋建一和歌山市長は、3月11日市議会本会議にて、当初09年度からごみ有料化を実施するとしていた計画案の撤回を表明しました。これにより、実 施の具体的計画案が明らかとなった昨年夏から1年足らずの間で、反対する市民の声が実ることになりました。私は、和歌山市が昨年5月に廃棄物対策審議会に ごみ有料案の具体的提示をして以来、和歌山市議団のみなさんと有料化に反対しごみ減量のための政策提言にむけて取り組んできたもとで、市長の「有料化撤 回」表明を感慨深く受け止めています。3月11日は、市民にとっても和歌山市政にとっても、ごみ減量施策の新たな出発点となるものです。
ごみ減量に本格的に踏み出すうえで、反対運動と政策提言に取り組んだ約10ヶ月間をふりかえり2つの点を強調したいと思います。一つは、市長にごみ有料化 の「方針転換」を表明させた2月18日の和歌山市廃棄物対策審議会の画期的な「答申」内容を明らかにすること、もう一つは、市議団の「有料化に頼らずとも ごみ減量は可能である」との確信のうえに立ったごみ減量施策の提案について次に述べたいと思います。

1、市長が「ごみ有料化」の「方針転換」を表明

3月11日、市長がごみ有料化から「方針転換」を表明

朝日新聞(3月14日付)は、大橋建一和歌山市長が11日の市議会において日本共産党大艸主馬市議の一般質問にたいして、「和歌山市は、09年度か らの導入を検討していたごみ有料化を見送る」「有料化以外の減量化施策に取り組んでいく」と有料化計画にたいして方針転換を示したと報じました。この「方 針転換」は、2月18日に和歌山市廃棄物対策審議会が「(ごみ有料化による)市民への新たな負担ではなく、他の施策の実施が必要」との答申を市長に出した ことによるものと報じています。

「8億5千万円の市民負担、効果はごみ減量10%」市の有料化案

市の提案は、09年度6月にまず粗大ごみをシール一枚300円とし、10年2月から家庭ごみ袋40リットル1枚52円とし、年間8億5千万円の市民負担となるものです。
目的は「ごみ有料化」することで市民のコスト意識を働かせごみ抑制につなげ、ごみ減量は10%になるというものです。この有料化導入は、環境省と和歌山県がすすめる施策であり、ごみ減量の効果はあると環境省が述べていると審議会で繰り返し市は説明しました。
この計画を知って「ちょっとまったごみ有料化」「10%のための有料化はおかしい」などと批判と怒りの声が多くの市民また女性を中心にひろがり、アンケー ト活動などをひろげそれが審議会にも反映することになりました。日本共産党市会議員団は、有料化がごみ減量に有効とする説明は根拠が不十分なこと、また全 国と県下のごみ減量施策の優れた経験を徹底調査し有料化にたよらずともごみ減量は可能であるとする減量施策をまとめ、09年9月議会で市長に全面的に政策 論戦をしました。これは、次号で紹介します。

2月18日、ごみ減量施策の転機となった審議会答申

和歌山市長は、07年11月「ごみ有料化、09年度実施」にむけた廃棄物対策審議会に諮問していました。審議会は、6回の審議のすえ、2月18日に 市長から諮問されていたごみ有料化に対する答申を市長に提出しました。その内容は、ごみ有料化はごみ減量に有効であると明記しているものの、市提案の09 年度実施は撤回するとともに今後の実施時期を明記しませんでした。そして、有料化実施前にごみ減量施策を「まずすすめること」を明記しました。また、和歌 山市のごみ減量が進まない市の責任について「ごみの減量化施策を総合的に実施できていなかったこと」が原因と指摘し、集団回収の実施を求めることも明記さ れました。朝日新聞は、3月11日の本会議市長答弁を「方針転換」と評したのはまさにその通りです。
審議会の議事は、ホームページで公開されていますが、とくに会長を先頭に真剣に議論され、市民の多くの願いを反映した答申を出されたことに心より敬意を表するものです。日本共産党市議団の答申への見解は別掲のとおりで、答申は画期的な内容をもっています。

次回、ごみ減量についての市議団の調査研究をふまえた政策論戦について述べます。


「ごみの有料化について」(答申)に対する見解

2009年2月18日

日本共産党和歌山市会議員団

和歌山市廃棄物対策審議会において6回の審議を経て2月18日、「ごみ有料化について」の答申が市長に出されました。以下に日本共産党市会議員団の見解を発表します。

1、「有料化は有効な手法であり、ごみの有料化を実施することは適当である」という答申には賛成できません。

2、実施時期について当初2009年4月より、8億円の市民負担を伴う有料化を実施するとしていましたが見送られ、「まず減量化策を進めるべきであ ること」、「市民の経済的負担は避けるべきであること」などが新たに盛り込まれました。また、市民の自主的な取り組みへの支援策の中に「集団回収」が明記 されました。資源ごみの手数料についても、一般ごみの2分の1以下という記述を改め、一般ごみとは区別して料金を設定することとなりました。これはいずれ も、市民のごみ行政に対する要求や意見を反映したものです。

3、和歌山市のごみ行政はリサイクル率、減量のいずれにおいても、ワーストクラスとなっています。その原因の一つとして「ごみ減量化施策を総合的に実施してこなかったことにある」と書き加えられたことは大きな第1歩だと考えます。

審議会での議論を通じ、2及び3の内容が答申に明記されたことは、ごみ行政の前進につながるものであり、会長をはじめ審議委員のみなさんに敬意を表するものです。
私たち市議団は審議会や議会を通じて、先進都市の具体例を明らかにし、減量化計画の策定を求めるなど、有料化せずとも減量は可能であることを提案してきま した。今後、ごみ行政は減量化をどう具体化するかが大きな課題となります。しかし、行政だけに任せておけば良いというものでは決してなく、市民との協働、 市民参加の減量策の推進が不可欠です。
私たち市議団は市民、行政、事業者が一体となってごみ行政を進めることと共に、循環型社会を目指し、引き続き奮闘するものです。

以上