小泉『改革』で高齢者に容赦ない大増税

後みつる(和歌山市議団)の告発リポート
「小泉『改革』で高齢者に容赦ない大増税」

小泉内閣による税や保険料の負担増は和歌山市でも、高齢者に容赦なしにおそいかかってきています。私自身も6月初旬に「昨年6300円だった市民税が今年43700円の通知がきた。間違いではないか」との相談を受けました。
しかし、いま起こっているこの異常な負担増は計算間違いでも、自然現象でもなく、まぎれもなく小泉「改革」の影響です。
自民党・公明党が与党の小泉内閣がおこなった地方税の改正により04年と05年には和歌山市議会にも市税条例の改正が提案されました。04年6月議会に は年収100万円を超える生計同一の妻に対する均等割の非課税措置の廃止・65歳以上の老年者控除の廃止・市民税の均等割の引き上げが、05年6月議会に は定率減税の段階的廃止・65歳以上の非課税措置の段階的廃止(高齢者で合計所得125万円以下の場合)などが提案されました。このとき、それぞれの市議 会でこの負担増に対する反対討論をしたのは日本共産党市議団だけでした(反対討論は議員団長の姫田高宏議員がおこないました)。また、市議団は県議団と共 に発行している「県・市議会だより」でもこの問題を指摘してきました。

国保と介護保険の負担も増加

さらに公的年金控除の縮小(140万円から120万円に縮小)は、年金生活者の国民健康保険料と介護保険料の負担増を招いています。受け取る年金 額は毎年下げられていくことが、すでに国会で決まっていますが、にもかかわらず控除が減るということは、所得が増えたことになるからです。例えば年金 180万円の方であれば05年度までは所得が40万円であったが、06年度からは所得が60万円とみなされ、受け取る年金額が同じでも、所得が増えたこと になるのです。この20万円の差で生じる保険料の負担が大きいことから国は3年間かけて徐々に保険料を上げていく「激変緩和措置」をとりました。しかし裏 を返せば、国民健康保険料・介護保険料とも確実に値上げされていくということです。

日本共産党は条例改定に反対

和歌山市在住で65歳以上・年金180万円・単身の場合の04年度からの負担の推移をグラフ化してみました。負担はこれからも増えていくことがお わかりだと思います。この「激変緩和措置」=3年間確実に保険料が値上げされる=のための介護保険と国保の市条例改正がそれぞれ今年2月と6月に議会で審 議されました。この条例改正に反対したのも日本共産党市会議員団だけでした。
地方議員には法律に対する議決権はありません。しかし、国が法律の改悪によって住民に負担増を押し付けるときには、地方議会は独自に緩和策を設けるべき です。この独自の緩和策が和歌山市にはありませんでした。議員団はこの立場から負担増の条例改正=改悪には正面から反対しましたが、住民の利益を守る議員 として、ごくあたりまえの態度であると思います。日本共産党以外に反対を表明する議員がいないことは残念なことだと思いますが、もはや、真に住民の利益を 守る立場で議会に臨むことができるのは、日本共産党のみだというのが和歌山市議会の現状です。
法律の改悪による税と保険料の負担増を緩和するための市独自の施策を求めて、議会の内外で奮闘したいと考えています。

graf


※老年者控除=年間所得1000万円以下の人は住民税で48万円が課税対象の所得額から引かれていました。04年度の税制改定で廃止されました。
※定率減税=05年度税制改定で06年度から住民税額の7・5%(最大2万円)に縮小、07年度には廃止されます。
※住民税非課税措置=05年度税制改定で、高齢者について廃止になりましたが、障害者、未成年者、寡婦(夫)の合計所得125万円以下の場合の非課税措置は従来どおり。