市議会ニュース -2007年12月号-

12月定例和歌山市議会は、11月27日から12月17日まで21日間の会期で開かれました。一般会計補正予算を含めて32議案が可決されました。 市議団は、生活保護費の増額補正などに賛成しましたが、島橋工業用水場の民間委託に関連する議案と一般職員の給与を3%削減する議案、議員の期末手当を引 き上げる議案の3つに反対しました。また継続審査となっていた、65才以上で08年4月以降に「重度心身障害児者」と認定された人に医療費補助を支給しな いとする条例改定に反対しました。


反対65才からの「重度心身障害児者」医療費補助を一部削減

― 08年4月から

市は、今年4月から65才をむかえ、重度心身障害児者と認定された方の医療費を補助しないことを決定しました。市は、制度の必要性について検討せず、財政上の理由から削減を押し切りました。

反対一般職員の給与3%削減

一方で、ムダ削減に手をつけず

市財政が厳しい事を理由に市は、一般職員の人件費削減を提案。
党市議団は、旧同和住宅のエレベーター管理人報償金や、一部の市営住宅での駐車料金を市の税収としていないことなど、不公正な行政を改めることをしないで生活給をさらに引き下げることに反対しました。

児童館職員の残業時間は一般職員の3.5倍にも

表旧同和事業関連の公共施設の人件費に関わって、残業時間が市職員平均の3・5倍以上あることが、党市議団の本会議質問で明らかとなりました。


<低い市の雇用対策費>中核市平均の「138分の1」

予算と事業の充実を要求

後 みつる市議

他市に比べて「138分の1」と低い市の雇用対策の単独事業の予算増額を求めました。市は、「雇用推進計画を策定し、経済戦力会議の提言・意見などを踏まえて、新たな事業の検討」を約束しました。
また、「労働者の権利を知らせる冊子の作成や、携帯電話からのアクセスが可能なホームページの開設」を提案。市は、「他都市の状況も参考にしながら効果的 な周知方法を検討し、本市のホームページ等の有効利用やメールマガジン登録者(約1400人)に雇用に関する情報を配信することなども考えていきたい」と 答弁しました。

<ハローワークの「出張職業相談」>全市に拡大を提案!

後 みつる市議

現行のハローワークからの出張職業相談は、一部の文化会館に限られ、この5年間で42件となっています。現行の出張相談とともに要望の強い地域へも相談員が出向くことができる事を市報やホームページなどで広く市民に知らせるように提案しました。
市は、一部の文化会館での相談の現状を、改善して、近隣の皆さんの利用も可能とし、さらにより多くの方々に利用してもらうことができるよう市報やホームページ等への掲載を約束しました。


<土地造成(つつじヶ丘)事業>完売しても209億円の赤字!

大くさ 主馬市議

和歌山市が、多額の赤字を抱え財政再建団体となる見通しが高いもとで、その赤字の原因と責任を明らかにしました。土地造成事業について、完売した時点での負債額について質問しました。完売しても209億円もの多額の負債が残ることが明らかになりました。
本来、この事業は国保や下水道会計と違って収益的な事業で本来なら市財政に貢献できる事業でした。
全国の地方自治体の財政破たんの大きな要因は「構造改革」の名で国の地方への借金押し付けにあることが明らかになっています。
この打開策として、ムダや浪費をあらため、大もうけをしている大企業などに応分の税負担を求め、また、市民に負担増を押し付ける政治をあらためることを提案しました。

<大浦街道>安全対策を要求

大くさ 主馬市議

緊急課題である県道大浦街道の歩行者や自転車などの安全対策を求めました。
電線地中化の進捗状況や舟津交差点歩道橋付近のバリアフリー化の施策について市に質問しました。
市当局は「県に対し粘り強く要望する」と答弁しました。
その後、和工から西小二里までの区間は、車道を片側一車線にし、歩行者、自転車、障害者などの安全対策を試行する方策が出されています。


市の設置条件「緩和」は撤回を! ミニボートピアの地元同意を「1単位自治会」とするのは国基準からも問題

渡辺 ただひろ市議

本町のミニボートピア建設予定地

本町のミニボートピア建設予定地

ミニボートピア(場外舟券売場)建設計画が、元駐車場跡地(写真)に新たに浮上し、自治会、PTAや保護者会、婦人会などの団体の皆さんによる施設設置反対運動が広まっています。
市は、9月議会終了直後に舟券場外発売所設置の「同意条件の緩和」を示しました。市議団は、この条件緩和は、多くの住民の民意に反し、子どもの教育環境に 悪影響を及ぼす点から、市長に撤回を求めました。本会議で、国交省から得た「規模の異なる施設設置であっても、特段の違いはない」とする回答を示し、地元 同意を一単自治会とするのは誤りであると指摘しました。
市長は「ミニボートピア設置にあたっては国土交通省に問い合わせる」とし、地元住民の同意基準を「1単位自治会」とすることはできませんでした。
ミニボートピア設置予定地が通学路に面しており、国の設置基準からみて教育環境へ「著しい支障をきたすおそれがある」問題を指摘しました。
市長は「国土交通省に問い合わせる」と答弁しました。

<坂田・磯の浦線>道路事業認定の促進を要望

渡辺 ただひろ市議

この道路は夏場には海水浴客も多く、また東南海・南海地震の津波対策などの避難道路としても早期着工が望まれています。すでに土地買収は83%が完了しています。県に「道路事業認定」指定を早く申請し、直ちに着工することを市に求めて質問しました。
市は、「道路事業認定をすみやかに行うように県に申請します」と答弁がありました。


<震災の死亡原因>屋内家具「落下・転倒」49%

市が「防止対策」を約束!

南畑 さち代市議

広瀬保育所のテレビ転倒防止策

広瀬保育所のテレビ転倒防止策

阪神大震災などの死亡率原因として高く、また和歌山市地域防災計画でも指摘されている、屋内家具等の転倒防止策について質問。
県下で始めて屋内対策をとった広瀬保育所の写真を示しながら、公的施設や健康福祉局の管轄する施設の屋内の転倒防止策の計画作成を専門家の意見を取り入れ対策をとることを求めました。
市は、「家具等の転倒・落下防止対策は大変重要な事前対策であり、公共施設全般を見ると、まだまだ不十分である。危機管理部が中心となって全庁的に転倒・ 落下防止策の指標を作成し、出来るだけ早く対策の推進を図りたい」「また、専門家の意見を取り入れながら適切に対応していく」と答弁しました。
07年7月から私立の保育所を対象に国が総合防災対策としてはじめた「施設機能強化推進費」に、和歌山市21民間保育所が申請しています。神戸市が実施している「家具の固定促進事業」などを紹介しつつ、市が市民的に啓発をし、財政的対策をとることを求めました。
市長は、「公共施設における屋内の転倒・落下防止策は重要な課題と認識している。厳しい財政状況ではあるが財源の確保に努め計画的に対応していく」と答えました。


<児童館・文化会館など>「市民誰もが等しく使用できるよう」要求

市は改善を約束!

森下 さち子市議

児童館8ヶ所、文化会館12ヶ所、教育集会所13ヶ所はいずれも旧同和対策の一環として建設使用されてきました。しかし、法が終わって5年経過した 今、もともとの趣旨である子供たちの健全育成、あるいはコミュニティセンター的な役割として周辺地域へ広げる必要があります。今後は、施設の存在を知らせ るための周知徹底や使用のための申し込み方法の整備を求めました。
市は、「3つの施設とも、市民誰もが等しく使える施設である。今後申し込み方法などの整備と合わせ、周辺地域の住民が利用できるよう努めたい」と改善を約束しました。

<エレベーター管理人報償金>年間1416万円もの支給は直ちに中止を

森下 さち子市議

2年前の本会議で、旧同和住宅のエレベータ管理人報償金は(業務は、エレベーター清掃など)直ちに廃止するべきであるとの質問に対し、市は廃止を約束し「行政改革大綱」に段階的削減と2009年の廃止を明記していました。
ところが、市は、「相手方と話し合いがつかないため」として金額を20%下げたのみで廃止を将来に先送りしました。一方で市は、行革の方針に高齢者の入院 給食助成制度や障害者の小規模授産施設への補助金なども掲げ、当事者が何度も削減をしないよう求めたにもかかわらず容赦なくこの方針を断行。
このような「不公正」な行政は即刻改めるべきであると厳しく指摘しました。


駐車場スペースを「団地住民が独自に整備」したと市が答弁!

これが住宅管理第2課の整備された駐車場!

これが住宅管理第2課の整備された駐車場!

日本共産党市議団は、12月本会議で、市営駐車場が整備され、駐車料金が3000円から4300円を徴収し、市税収入として、年間1840万円が市 税収入となっている住宅管理第一課にたいして、旧同和住宅の管理第二課の整備されている駐車場スペースの市税収入について質問しました。市は、白線が引か れ、車止めがあり、番号もある駐車スペースについて市としての関わりには触れず、「住民が整備した」「条例がないため市税収入とならない」とも強弁しまし た。
市議団は、独自に入手した住宅管理第二課の駐車料金を支払っている領収書を市に提示してただしました。
しかし市は、「そのような事実は把握していない」と答弁。市は、「実態調査」を約束しました。表


認定に反対!06年度一般会計決算

厳しい財政状況にありながら、旧同和関連事業の住宅新・改築貸付金約6億円が未返済で、不必要なエレベーター管理人報償金1416万円を支給する一方で、就学援助制度が申請増加にもかかわらず縮小するなど認定に反対しました。

認定に反対!06年度水道決算

水道事業公営企業会計については、「有収率」向上対策が目標より達成が低く、予算の未執行がくりかえされるなど改善が見られず、鉛管対策交換の目標がきわめて遅れていることなどから反対しました。


表