市議会ニュース -2006年12月号-

 12月和歌山市議会は、12月1日から21日まで開かれました。一般会計補正予算案や12の条例改定など34議案が提案されました。市議団は、高 齢者の医療負担増などにつながる後期高齢者医療広域連合設立負担金の条例、学校給食第一共同調理場の調理業務などを民間に委託する議案など市民生活に問題 のある議案、入湯税導入にともなう不必要な投資となる予算案など7議案に反対しました。
主な議案と日本共産党の態度を紹介します。

【反対】学校給食・第一共同調理場の調理を民間委託へ

和歌山市の小学校は、44校が自校で給食をつくっています。市は、経費削減を主な目的として第一共同調理場(山口小学校など1468食分)の調 理・洗浄・配送業務を07年度から3年間、民間業者に委託することが提案されました。委員会で市は、対象小学校などに保護者や学校関係者の意見も取り入れ 改善を図るため協議会などを設置すると答弁しました。しかし、日本共産党は、学校給食は教育の一環であることから、市の責任で実施すべきであると主張し反 対しました。

【反対】後期高齢者医療広域連合設置の市負担金

和歌山県下の自治体が参加し、08年4月、後期高齢者医療広域連合の設立を進めています。これは、自民党と公明党が昨年6月、国会で成立させた医 療制度改悪法で、主に75才以上の高齢者の医療保険制度を現在の国民健康保険制度から独立させるものです。医療費が負担増となることから、逆に医療抑制が 生まれるなどこの制度改悪は高齢者いじめそのものです。市議団は、制度の問題点を指摘しつつ、和歌山市が国いいなりですすめる後期高齢者医療広域連合の設 置と負担金支出に反対しました。

<JR六十谷駅>「バリアフリー化計画」の調査費を計上

JR六十谷駅を利用する障害のある方などから、駅のバリアフリー化を求める声が多数寄せられていました。日本共産党市議団も議会で繰り返し質問し要求してきました。このたび計画実施への調査費が計上されることになりました。

学童保育の計画、前倒し実施を要求! 子どもたちに安全・安心の放課後を

森下 さち子市議

 市の計画では09年までに学童保育未実施の12校を整備するとしています。いずれも対象となる校区の保護者は学童保育を求めており切実です。市に 対して計画の前倒し実施を求めたところ、市は「条件が整い次第早急に開設したい」と答えました。さらに学童保育の指導員の労働条件が不安定な状況にあるこ とから改善・整備を求めたところ、市は「現在の勤務体系を見ながら社会保険、雇用保険について検討したい」と答えました。

<やらせ質問と動員>市教委の自主性欠如は問題!

森下 さち子市議

 文科省が行なったタウンミーティングが「やらせ質問」だったことが明らかとなっているが、和歌山市はどうかと質問しました。また教育基本法(改悪 前の)第10条の「不当な支配に服することなく国民全体に責任を負っておこなわれるべき」との趣旨に反するのではないかと質問しました。県教委から質問の 依頼があり二人の発言者を推薦したことを認めました。またタウンミーティングの趣旨からすれば「より慎重に対応すべきであった」と述べるにとどまり、今な お市教委の自主性の欠如が問題です。

国保の減免枠を拡大せよ! 市長「試算を含め検討」と答弁

後みつる市議

 自民党と公明党は昨年6月「医療保険制度改革法」を強行しました。また税制改悪により年金収入で生計を維持している高齢者の方の負担が重くなっています。
国保加入世帯の負担増がますます増えているもとで、市の独自策として国保の減免枠を拡大することを要求しました。
市長は「市の独自2割軽減について、従来までの3人以上の世帯に加えて、単身世帯、二人世帯を新たに対象とするなどの措置について試算を含めて検討してい きたい」と答弁。これは実施にむけての「試算」ということで減免対象の拡大に一歩踏み出しました。実施を引き続き求めてゆきます。

JR高架の土地利用を要求

後みつる市議

 第二阪和国道関連事業として紀和駅周辺鉄道高架事業・整備は08年完成をめざしています。この事業で生まれる「高架下などの都市空間の活用」で沿線住民地域の住環境向上をはかることについて、04年6月議会に続き市としての対応や経過を問いました。
市は、「地域住民のご意見に十分耳を傾けながら事業を進める」「07年度に地元自治会と協議の場をもちながら実施計画を作成してゆく」と答えました。

教育予算の増額を要求

南畑さち代市議

  教育予算は、基金による学校耐震改修予算を除くと全予算の1割以下となっています。特に各学校に少額の修繕やテストの用紙などに使うため「需要費」が各校 に割り当てられていますが、年々減らされています。ある学校では天井の穴をガムテープでふさぐなどの現状を指摘し教育条件の整備のため増額を求めました。 また、真夏エアコンもないプレハブ教室の虎伏分校の施設改善も求めました。
「需要費」が年々減らされている一方で、旧同和地域の子ども会、 14ヶ所に年間4632万円の補助金が減らされず、そのまま支給されています。マンモス校である雑賀小学校の需要費は、生徒数945人で780万円なのに たいして芦原子ども会の会員数267人で780万円の補助金が支給されています。芦原小学校の需要費は、生徒数149人で213万円です。予算配分と使い 方を公平にすることなど是正を市に求めました。

<コミニティバス>北東部の交通網整備を要求

南畑さち代市議

 直川用地に福祉保健センター・コミセンが設置される計画に合わせて高齢化が進む地域の交通網の整備について路線バスの拡充、コミニティバス、スクールバスやジャンボタクシーの活用を求めました。市は新しい「発想」で検討すると答えました。

市長・議員の海外出張の「支度料」は廃止せよ!

大くさ主馬市議

 「支度料」の廃止を提案しました。海外出張の際に「支度料」(市長・議員は53900円、職員には39080円~26950円)の支給制度があります。市長は「県が今年度から廃止したことなどから額の見直しを含め支度料のあり方を検討したい」と答弁しました。

同和公営住宅などの修繕費で不祥事 業者へ1年半未払いが発覚

大くさ主馬市議

 京都、大阪、奈良など関西一円で旧同和対策をめぐって不正事件があいついでいます。不公正乱脈な同和行政に特定団体が関わった利権あさりは大きな社会的批判を受けています。
和歌山市でも同和事業にからんで公金横領背任罪などで昨年までに2人の市職員が懲戒免職になる事件が起こっています。日本共産党市議団は、特別扱いの同和 対策をやめて一般施策で対応するよう公平な行政を求めてきました。12月議会で建設部の元職員が懲戒免職になる事件とかかわって、同和公営住宅の修繕した 311件を1年半にわたって修繕費が未払いであることが明らかとなりました。
この事件から再発防止を求めて責任を追及したところ市長は、不祥事 の「根を絶つためがんばる」と決意をのべました。終始、元職員一人の責任としていた建設部長は「個人だけでなく部としての監督責任がある」と釈明しまし た。業者への修繕費未払い額1977万円を市が支払うことを決めました。

企業誘致口実の北インターチェンジ設置を見直せ!

ひめだ高宏市議

すぐに「財政危機に陥る状況」と市長

財政状況はどのようなもので「赤字再建団体に転落する非常事態」は現在脱したといえるのかと質問。市は、「和歌山市の財政状況は、04年度一般会 計の赤字を05年度に解消したものの、財政硬直化を示す経常収支比率が96・3%と高く、市税などの大幅増加も見込めず高齢化による扶助費や医療費などの 増、市債の借り入れ率の上昇、特別会計の赤字も厳しく、一般財源が十分確保できなければ、すぐに財政危機に陥る状況」と答弁しました。
このよう な財政状況にあるなかで大橋市長が最重要課題としている北インターチェンジの設置の目的と行財政改革における位置付けを質問しました。市は、「北インター チェンジの設置が、企業誘致の付加価値を高めて直川用地の利活用を強力に支援すること、また計画の具体化段階で行財政改革実施計画の見直しを行い財政を確 保したい」と答弁しました。
企業からの感触もない段階で、企業誘致の付加価値としても疑問、20億から25億円かかる北インターチェンジをはじめ、企業誘致にかかる整備計画は見直せと提案しました。

市民テニスコートやアートキューブの使用拡大を

ひめだ高宏市議

 和歌の浦アートキューブの施設利用の拡大、市民会館の駐車場と小ホールへの搬入口の改善、市民テニスコートの年末年始の利用拡大を求めました。

一般競争入札85%なら4千万円が節約
落札率が85%なら4千万円が節約できます。

グラフ 和歌山県政の「官製談合」事件では、高値落札による税金のムダ使いが問題になりました。
市議団は和歌山市における水道局の随意契約について質問しました。
05年度の水道事業における随意契約29件のすべてが94%以上の落札率で平均すると96%となることが判明しました。
市議団が改善を求めたのに対して、市は「随契による落札率が高いと十分認識していますので、現在競争入札を行うために市長部局と合同による入札等について協議をおこなっています」と答えました。
落札率が85%なら4千万円が節約できます。

【05年度】決算認定に反対!

市議団は、12月議会での05年度の決算認定にたいして、旧同和子ども会が補助金丸がかえであること、特別会計の構造的赤字が改善されていないこ となどから反対しました。また05年度公営企業決算の認定にたいして、水道事業の重点課題である漏水対策がおくれていること、大滝ダムの建設費を国のいい なりで市が新たに3億7千万円負担したことなどから反対しました。

住民のみなさんと道路の整備を―労災病院移転―

渡辺忠広前市議会議員

 労災病院の移転建設工事が始まりました。建設予定周辺は、道路が狭いため、病院と和歌山市に自治会のみなさんと改善を要請してきました。病院は院 内正面側に道路をつくることを約束。市にたいしては、市道に隣接する通称「木本川・幅員3・5m」の暗渠化と道路として使用することを市に要請をしてきま したが、このほど国の支援をうけて08年度事業として、来年度から施工に入るとの回答を頂きました。
最近うれしいことがありました。東木本地区の「車駕乃古址古墳」公園事業が再開されています。公園化は私、渡辺が市議会議員当時議会で提案したもので、市が周辺土地買収を完了させ建設を計画しました。木本地区には多数の古墳があり完成を心待ちにしています。