6月定例議会は、6月13日から30日までの18日間の会期で開かれました。一般会計補正予算2億4千万円余の増額を含む36議案が可決されまし た。日本共産党市議団は、25議案に賛成し、国の地方税法改定にもとずき6億8千万円もの増税となる和歌山市税条例改定など11議案に反対しました。議会 は、定数削減を求める議員の提案で定数協議会が設置されました。また、「紀ノ川大堰建設に関する決議」が全会一致で採択されました。
日本共産党議員、5人全員が一般質問にたちました。主な内容を報告します。
就学前、乳幼児医療費を全額助成
さらに小学生の通院費も!
和歌山県下の「就学前、乳幼児医療費の無料」を求める運動と日本共産党の議会追及などが実を結んで、県下で10月から実施されることとなりました。
和歌山市は、さらに独自に12歳までの小学生を対象に、入院費の助成が一部に所得制限がありますが実施されます。
「議員定数問題協議会」が設置されました
議会は、議員定数の「削減」を求める議員の要望などを受けて「議員定数問題協議会」を設置しました。議会閉会中も協議会を開くこととなっています。
日本共産党市議団は、議会が行政を市民の市場からチェックする役割を発揮することこそ必要であること、また地方自治法条例による現在の定数の保障が必要であるとの立場から削減に反対ですが、市民のみなさんへの情報公開を含めてオープンな議論を求めてゆきます。
5月11日の米軍艦船
カウペンズの和歌山港への入港と非核平和都市宣言の関係
ひめだ高宏市議
日本共産党市会議員団は、5月11日に市長に対し①米軍艦船の和歌山港入港を拒否されること、②入港を許可せざるを得ない場合は米軍艦船の「非核証明書」の提出を求めることの2項目について、知事に要請することを申し入れました。申し入れについての対応を質問しました。
市は、「港湾の管理は県の権限です。本市は今回の米軍艦船の入港に先立ち、関係課から県に対し 『核装備搭載の有無の確認』 の実施について照会したところ、既に県は 『日米安全保障条約に基づき非核三原則を堅持する我が国の立場は確保されている』 との回答を国から得ているとのことでしたので、非核平和宣言都市である地元自治体の立場は尊重されているものと考え、あらためて県に対し再度確認を要請す る必要はないと判断しました」と述べました。
サンピア和歌山の機能存続について
ひめだ高宏市議
サンピア和歌山の機能存続を求めて市長の考えを質問しました。
市長は、「サンピア和歌山は国の方針で、今後5年を目途に廃止・売却され ることになっています。サンピア和歌山は、宿泊施設やスポーツ施設を備え、市民の憩いの場として周辺地域の環境の向上に資するものであり、地元からの雇 用、食材等の地元業者からの調達など地域への貢献度合いが大きい施設です。周辺の連合自治会の方々から存続の訴えが寄せられており、市としてはサンピア和 歌山を現状のままできるだけ長く存続すること、もし売却される場合でも施設を譲り受けた民間事業者ができるだけ変更することなく営業を続けられるよう、国 等の関係機関へ今後とも働きかけを続けていきたいと思います」と答えました。
新予防給付対象者のベッド等の利用は継続を
南畑さち代市議
介護保険制度の改定による「新予防給付」について、予防重視型の制度改正で予防プラン作成の遅れが生じていないかとの質問に、市は「居宅介護支援 事業に委託することにより、対応に遅れがないように努めている」と答えました。また軽度の方がベッド等の利用が制限されようとしていないかとの質問に、市 は「経過措置として4月以前に利用していた人は9月末まで利用できるがそれ以降はできない。」と答えました。
10月の経過措置が切れる前に、利用者の不安に応えられる施策が必要であり、市の裁量発揮を要望しました。
女性の幹部登用、審議会の女性比率向上など男女共同参画計画について質問
南畑さち代市議
第2次事業計画の到達と第3次計画の策定にあたり努力している点を質問しました。
市は、計画の効果的な推進を図るため、男女共生推進会 議の会長としてファミリーサポートセンター事業などは順調に推移している。しかし、子育て、介護など家庭生活への男女の参画、審議会、委員会など政策決定 過程の場への女性の参画など効果的な成果が見られない事業もある。DV問題、少子化問題などへの対策の推進を図っていくと述べました。
また、女 性職員の幹部職員への登用状況、付属機関の女性委員の登用状況、さらにゼロの機関や委員兼職数の状況を質問しました。市は、06年4月1日現在251人で 16・5%で中核市の平均を上回っており、付属機関70機関のうち7機関がゼロで兼職数5件を超える委員が13におり、改善を働きかけたいと述べました。
女性比率向上のため、担当部が目標値を持ってあたることを要望しました。
医療廃棄物処理は市民的な課題 市は処理計画をまずもて
大くさ主馬市議
2000年5月、日本共産党の児玉健次議員が、厚生委員会で医療廃棄物問題を取り上げ、廃棄物の適正処理には1kgあたり200円が必要とされてい るが、実際の入札では、50円など異常に低い価格で処分されている。市場任せでは適正に処理されない危険があることから、必要な対策をもとめています。
市は産廃処理協議会設立を約束!
大くさ主馬市議
青岸の医療廃棄物処理施設についての最終判断は処理計画ができるまで待つべきであり、関係者の協議会設立のめどはいつかと質問しました。生活環境 部長は、県の廃棄物処理計画改定とともに、仮称和歌山市産業廃棄物適正処理検討協議会の本年度中の設立を目指すと答弁しました。
また市長は「産 業廃棄物を適正に処理する施設は不法投棄等の不適正処理を阻止し、より快適な市民の生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図るため不可欠なもの」「県の計画 を踏まえ、現在青岸地区に廃棄物処理施設が集中している問題も含め、将来的な産業廃棄物の適正な処理について、市民、排出事業者、産廃業者とともに考えて まいりたい」と答弁しました。
「函館方式」生かし、和歌山市で公共事業の下請業者と労働者の生活を守れ!
大くさ主馬市議
函館市では公共事業の下請業者や労働者の生活を守る立場から賃金や労働条件について元請への行政指導に取り組んでいる事から「函館方式」と呼ばれています。
和歌山市の実態把握と、下請、孫請業者、労働者の賃金などは適性か、その判断及び現金支払いの履行について質問しました。建設部長は、「下請代金や労働者 の賃金は、現金で支払うことは、非常に重要であると認識し、下請業者の保護の観点から他都市の状況を調査した上で、研究してまいりたい」と答弁しました。 「函館方式」を研究するように要望しました。
大滝ダム、すでに市民負担が207億円
今後「負担増」はないのか?
後みつる市議
後みつる市議は、奈良県川上村の大滝ダムについて質問しました。
和歌山市は奈良県川上村の大滝ダムの09(H21)年度完成を前提に水道水の半分以上を加納浄水場から配水しています。
72(S47)年に 基本計画が策定されて以来5回もの変更で、総事業費が当初230億円から3480億円へと膨らんでいます。和歌山市は、水道水供給を目的に負担しています が、当初9億529万5千円から207億600万円の負担に膨らみました。しかし、「地滑り対策」などのため大滝ダムはまだ完成していません。
問題点は「異例の5回の計画変更」というずさんさにあります。04(H16)年の完成前の水を溜める試験中にダム上流地区で地滑りが発生しましたが、事前 に地元住民や専門家から指摘されていたもので、国の判断が甘かったためです。市は、新たに15億円の負担金を提案してきました。市議会は一度は反対意見書 を採択ししましたが、結局議会は市の負担金を認めました。日本共産党市議団も国負担で行なうべきであると反対しました。
日本共産党和歌山市会議員団は県議団とともに、現状はどのようになっているのか、新たな計画変更の可能性はないのかなどについて5月に現地調査をしました。
この調査をふまえ、議会での質問と答弁は次のとおりです。
①基本計画第5回変更以降の本市の負担額はどうか。また大滝ダム完成時、水道事業会計への影響はどうか。
「大滝ダム第5回基本計画変更による本市の負担予定額は、上水道で11億1千938万円、工業用水道で3億7千14万円、合計14億8千953万円となっている。ダム完成後は財政状況が厳しくなる。
対応として04(H16)年9月に策定した 『経営健全化プラン』 に基づき、施設の統廃合や浄水場などの民間委託を実施し、財政の健全化を図っているが、今後も支出の抑制に努め、水道事業会計に影響を与えないよう努める」
②大滝ダム完成までの間、渇水時における取水量の確保はどのようにしているのか。
「渇水時の取水の確保は、河川管理者である国土交通省のよびかけで奈良県、和歌山県及び利水関係者が集まり 『紀ノ川渇水連絡会』 を開催し、取水の確保に努めている。また取水制限等実施される場合には、利水者間で一定のルールのもと取水を行い、これまで大きな支障をきたすことなく給 水を行ってきた。今後も、他の利水者の協力を得て安定給水に努めていく」
日本共産党は、大滝ダム計画の度重なる変更は国のずさんな見通しにあることを指摘し、和歌山市が主体的に国にいうべきことを言うなど、責任ある対処をこれからも求め続けます。
「障害者自立支援法」の施行目前 実態をふまえて支援の措置を求める
森下さち子市議
自立支援法の施行から2ヶ月経過した現在、10月からの新施設への移行を控えた事業所、1割の利用料負担を控えた障害者、共に大きな不安を抱えて います。私は、市独自の減免制度を作ることや児童デイサービスでも独自の減免や子育て相談を充実すること、また新たな社会資源としての共同作業所を行政と して支えることなどを求めました。「当事者にとっては大きな負担となるなど色々な課題があり、実態を見て今後研究していきたい」「法に基づいた施設への移 行を5年以内にしようと努力する施設については、応援していきたい」と答弁しました
不公正な行政・旧同和むけ住宅家賃の減免措置の5年延長
森下さち子市議
今年は、旧地域改善向け住宅を一般住宅と同様、法に基づく応能・応益制度の家賃に段階的にしていくという最終年度です。今後、早い時期に一般募集 をするための最大の問題は、同和向け住宅の「3割から8割の住宅家賃減免制度」を見直すための市の方針を確立することです。市は住宅施策委員会が提出した 「あと5年減免を延長する」との答申を「尊重する」というまったく不公平な立場に立っています。市は「公平公正」な住宅施策を求める市民の期待に応えられ ず、同和行政のゆがみを温存する姿勢です。
また、昨年9月議会で取り上げた古文書編纂事業への補助金500万円が正規に支出されなかったという 問題とその後の経過と市の責任ある総括を問いました。市は、主な責任が県にあるとの立場に固執しました。今後補助金交付にあたっては市の責任で確認するこ とを重視すると述べました。
大川地区へのバス配車を求めて和歌山バス(株)へ要請
渡辺忠広前市会議員
日本共産党和歌山県会議員村岡きみ子さんとともに7月7日、和歌山バス(株)本社を訪ね、「加太・大川地区へのバスの配車」を要請しました。
日本共産党に、大川地区住民の方から「お年よりが、病院へ行くにも大変だ」「通院のためタクシーを呼び、診察を受ければ1万円も必要になる。ついつい病院への通院を控えてしまう」との相談が寄せられ私は現地の住民の皆さんを訪ね調査してきました。
河西地域は労災病院移転にともない、バスルートの変更が予定されています。和歌山バス(株)から配車ルートの変更申請が陸運局に出され、現在検討されてい ます。このルート変更に際して「バスを大川地区まで延長してほしい」との要望が、大川地区全住民の署名を添えて6月和歌山市に提出されています。
和歌山バス(株)への要請後、和歌山バス労働組合にも同様の要請をしましたが、労働組合として「公共交通事業としての役割は地域住民の足を確保し、生活を応援することだ。要望は理解できます」と要請の主旨に同意をいただきました。
住民のみなさんと関係者の理解を得て実現すべく奮闘する決意です。