和歌山市議会の議員定数削減に対する反対討論

日本共産党和歌山市議団は、和歌山市議会2月定例議会の2月23日、5会派の議員提案による和歌山市議会議員の定数を2人削減する条例(定数を40人とする)にたいして、日本共産党を代表して姫田高宏市議団長が代表して反対討論を行いました。
反対討論の全文は次のとおりです。


和歌山市議会の議員定数削減に対する反対討論

日本共産党和歌山市会議員団 姫田高宏

 発議第1号、和歌山市議会議員定数条例の一部を改正する条例の制定について、日本共産党市会議員団を代表して反対の立場から討論します。

議会には市民の意思や願いを代表して市政に反映する機能、市民生活を守るための条例制定などの立法機能、行政における市長をはじめ市当局のゆがみ や間違いを正す 批判・監視機能という役割があります。議員定数は、議会がこうした役割を十分に果たすことができるかどうかを基準にして決めるべきもので す。地方自治法第91条は、市町村議会の議員の定数について、人口の区分に応じ条例で定めるとし、人口30万以上50万未満の市は46人を超えない範囲で 定めることを規定しています。議員定数はできるだけ多い方が市民の多様な意志や願いを市政に反映させることができるのは当然のことです。議員定数削減は、 市政から市民を遠ざけることになり反対です。

議員定数を削減することは、議会内の少数派を締め出すことにもなりかねません。本市はすでに、1997(H9)年6月議会において、議員定数を2 人削減し42人にしています。2人の定数を削減したこのときには、定数問題について検討委員会を設置し2年間にわたって検討をしました。今回は昨年6月 30日に設置した議員定数問題検討協議会で、7ヶ月に渡り議論を重ねてきましたが、3会派の申し出により終了しました。法定数46の中核市の平均では 41.7、その内、県庁所在地の平均は43.15であり、現在の定数42は平均的な議席数となっています。論議の中で、人口の減少、行政改革との関連、議 会の経費削減という意見もありましたが、今後の施策と人口の関連、政務調査費など他の経費の再考など課題が見えてきました。

議員定数の削減が議会経費の削減につながるという議論もありますが、一般会計予算に対する議会費の構成比を見ると定数が44人だった91(H3) 年度から98(H10)年度までの平均は0.739%であり、定数が42となった99(H11)年度のから06(H18)年度までの平均は0.738%と なっています。

この間の一般会計予算に占める議会費の推移を見れば、一般的に言われるように議員定数の削減が必ずしも経費削減となっていません。私たちは議会にかかる経費を聖域とするべきとは考えていませんが、まず議員定数削減から手をつけることには賛成できません。

財政再建について言うならば、本市の財政状況悪化の要因として、スカイタウンつつじヶ丘造成事業、3つの地下駐車場建設事業、芦原の皮革大型作業 場建設事業、石泉閣事業など事業そのものの必要性、計画性、契約金額の妥当性、後年度負担の影響などが十分精査されずに、時の市長の思いに引きずられて進 めてきたことがあげられます。私たち日本共産党市会議員団は、こうした事業が提案されたときにも、その都度こうした問題点を指摘し是正を求めてきました が、多数決により、こうした事業が進められ、その積み重ねが今の財政状況をつくってきたと言わざるを得ません。財政再建にあたり、こうした反省を踏まえる なら、行政のムダを削るためにも、市民本位の民主的・合理的な行政改革を進めるためにも、まず議会本来の機能強化を図る努力をするべきです。こうした議会 の機能と役割を結果的に損ねる議員定数削減には賛成できません

以上、議員定数削減についての問題点を指摘し発議第1号に対する反対討論とします。


070305himeda

写真は、議場で反対理由を述べる姫田高宏市議団長