2011年9月議会

産業廃棄物埋立最終処分場建設に反対する。

山口地区・滝畑に産廃事業者が産業廃棄物埋立最終処分場を計画している「事前計画書」に対して和歌山市、和歌山県、大阪府及び阪南市が提出した「意見書回答」の内容を質しました。また和歌山市の産業廃棄物に対する対応を質しました。
事業者の提出した産廃埋立最終処分場「事前計画書」は、滝畑地区の農家(農地面積・9.24㌶、農家数13戸)が水利権を持つ市所有「南谷池」を埋め立て、産廃処分場とし、代替池として「調整池」を設置する、としています。
私は「市が所有する南谷池の埋立等には、市が事前に水利権を持つ農家の同意を得ることが必要ではないか」と質しました。
まちづくり局長は「『南谷池』は市所有財産であるが、水利権者の同意は和歌山市ではなく、開発事業者が求めるもの」と答弁しました。
また「市管理の南谷池に係わる里道・水路の改廃については受益者の同意が必要ではないか」と質しました。
建設局長は「公有財産である里道・水路の売り払いの同意については、隣接する土地所有者や自治会等、近隣住民の同意を得るよう事業者を指導する」と答弁しました。
事業者の事前計画書によれば、埋立は「安定型産廃埋立最終処分場」です。「安定型」とは「環境負荷を及ばさない」として法律でコンクリート、アスファルト、ガラス・陶器、金属クズ、ゴムの五品目とされています。
ところが環境省は告示78号、105号で、特定産業廃棄物として指定されている石綿を含む一般廃棄物、産業廃棄物の一部混入を許可しています。また水銀、カドミュム、鉛、六価クロム、ヒ素、セレン等八種類の重金属とその化合物の混入埋め立てを一部認めています。
私は「事業主が指定五品目を守ることは当然だが、石綿、水銀及びその化合物等の混入についても埋立処分は認められている。産廃埋立処分場建設による環境汚染は避けられないと思うがどうか」と質しました。
市民環境局長は「環境省告示は指摘の通り。搬入時の検査では、指定廃棄物以外の混入を防止するには限界がある。環境汚染の危険性を把握するためには、事業 者に対して分別指導を強化するとともに、事業者が行う水質検査以外に行政による水質検査も必要と考えている」と答弁しました。
私は「埋立処分場による排出水の調査では、既に環境汚染物質が混入した跡で判るものであり、それでは環境は守れない」と指摘し、「安定型産廃埋立処分場」建設の許可をしないことを要請しました。
産廃埋立処分をする前に、指定品目以外の廃棄物の混入防止策として法律で事業者は搬入された廃棄物を広げ、目視による「展開検査」が義務づけられています。
しかし、例えば水銀及びその化合物の混入量の規制量は「〇.〇〇〇5ミリ㌘以下」と制限されています。私は体温計を示し「市販されている水銀体温計の金属 水銀量は1㌘=1〇〇〇ミリ㌘である。『展開検査』は目視で確認される。搬入された数トンもの廃棄物のなかで、わずか〇.〇〇〇5ミリ㌘以下の水銀及びそ の化合物量の確認などできるはずもない」と、施設設置による環境破壊は避けられないことを指摘し、産廃処分場建設を許可しないよう要請しました。