2020年2月議会報告

<介護保険事業について>

 介護保険制度は「家族介護から社会で支える介護へ」というスローガンを掲げて導入されたが、導入から20年経った現在、介護離職が年間10万人近くに上り、65歳以上の「孤立死・孤独死」は年間2万人に上るなど「介護の社会化」は進んでいない。誰もが40歳になったら介護保険料を支払うが、実際使える保険証を持っている方は18%しかなく身近でない保険制度と言える。介護保険のサービスを利用したくても利用できずに困っているといった声も多く聞かれるなか、介護保険事業の包括支援センターの在り方(介護予防プランの委託、個別ケア会議等)、訪問介護の生活援助についてなど、いくつか問題があると思われた点について質した。

Q:
 地域包括支援センターが介護予防プランを25%しか策定出来ない理由は何か、地域包括支援センターがケアプランを立てる必要性をどのように考えているのか。
A:
 地域包括支援センターの運営において、総合相談支援事業等がより重要でありセンターが作成する介護予防プランの割合が低くなっている。また、プランを委託した場合でも支援センターで内容が妥当か等確認しているので支援センターがプランを立てる必要性は低いと考える。
Q:
 生活援助の必要性についてどう考えているか、ケアマネジメント支援マニュアルに「同居する家族がいる場合には原則サービス提供はできない」と書いてあるが、間違った認識で削除するべきではないか。
A:
 生活援助は、利用者の生活を維持するために必要なサービスであると考えている。マニュアルについては、間違って認識されない記述に改めるよう検討する。

<中学校給食について>

 日本の学校給食は戦前から始まり、その目的は欠食児童・貧困児童の救済であった。その後も学校給食は、ずっと家で満足に職が食べられない子どもへの唯一のまともな食事としてあり続けてきた。また、欠食児童だけ特別に給食すると欠食児童に烙印を押すことになることから、子どもたちにスティグマを与えない工夫もされ続けてきた。現在本市の中学校給食は「選択制」で、喫食率は14%のため、貧困のスティグマから本来救済されるべき子どもが注文できずにいる実態がある。こういった観点から本市の中学校給食の現状について質した。

Q:
 子どもの貧困防止に学校給食がその役割を果たすべきで、早急に全員給食を実施するべきだと思うが市長はどう思うか。
A:
 子供の貧困対策大綱の目的に基づいて検討していく。
Q:
 現状を一定評価するという根拠は何か、喫食率が20%に満たない状況をどう考えているか。
A:
 現在昼食をスナック菓子などで済ましたり、欠食する生徒はほとんどいない。一概に喫食率が低いからと言って事業効果の低いとは考えていない。