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大艸主馬  代表質問

①日本共産党は小泉内閣が始めた構造改革・三位一体改革は、国の多額の借金を地方へ転嫁し、地方分権を脅かすだけでなく、地域間格差を助長するもの だと批判してきました。また、弱肉強食の新自由主義経済路線は教育や医療、福祉を削減し後退させるものだということを明らかにしその転換を求めてきまし た。市長は先般、財政圧迫の責任は三位一体改革にあるとの認識を示したその立場から、国に対して地方財政の確立を求めるべきではないでしょうか。また、和 歌山市の財政への影響額をお答え下さい。

市長:三位一体改革の評価については、基幹税による3兆円の税源移譲が実現したものの、国庫補助金、負担金の廃止・縮減に見合った税源移譲がされな いことで、児童扶養手当や児童手当のように、国の権限を残したまま負担割合だけが引き下げられるなど、地方の自主性の拡大にはつながっておりません。さら に、地方交付税の大幅削減とあいまって、地方自治体はきわめて厳しい財政運営を余儀なくされています。和歌山市への影響ですが税源移譲関係では個人市民税 で約21億円となりましたが、移譲に伴う国庫補助・負担金で約23億円が縮減もしくは廃止されています。三位一体改革が始まる前の2003年度決算と 2008年当初予算で比較すれば約72億円もの減額となります。

②市長は2月7日に県が中心となって作成した「地方のチャンスを奪わないで下さい」という暫定税率延長と道路特定財源堅持のチラシを街頭で自ら配布 したと報道されました。また、このチラシは県民の税金を使って作成されたものであり自治会の配布ルートによっても配布されました。道路特定財源は制度がで きて54年、暫定税率が導入されて34年がたち、ムダな道路を造り続ける自動装置となってきました。政府は「道路建設の中期計画」を推進するため今後10 年間で59兆円が必要としています。この59兆円の半分近くは「高規格道路」の建設費用で通学路整備は4%、バリアフリー対策はわずか2%に過ぎません。 前鳥取県知事でもあった片山善博慶応大学院教授も「納税者が行政のやるべきことを決めるのが本来のあり方。納税者の多くが今、暫定税率を廃止してガソリン 代を下げてもらう方がいいと思うなら道路建設はペースダウンするのが民主主義」と指摘しています。市長は配布されたチラシが市民に正確な情報を与えている と思いますか。また、道路特定財源方式はやめて、医療や福祉に使える一般財源にすること、紀淡海峡連絡道路のような不要不急と思われる道路建設を進めるこ とについてどうお考えですか。

市長:チラシの内容については、市民のみなさまに不安感をあおることを意図したものではありません。もし、暫定税率の延長がなくなれば将来に向けた 幹線道路整備や既存の老朽化した橋や道路の維持補修が滞るだけでなく、福祉や教育などの分野にも影響が及ぶことが避けられないということを伝えたかったか らです。また、紀淡海峡連絡道路は関西の環状道路のネットワーク形成において重要な役割を担う道路だと考えております。

③中国冷凍ギョウザをはじめ、次々と食の安全・安心が根本から脅かされる事件が起きています。その背景には39%という日本の食料自給率の低さと国 の検疫制度の貧弱さがあります。米をはじめ農産物価格は暴落を続け、耕作放棄の拡大、高齢化による担い手減少が進む一方、政府がモデルにしている大規模農 家さえ経営を維持できない状態にあります。農業を守り食糧自給率を高めることは、日本の美しい景観と自然環境を守り、人間の心を取り戻すことにもつながり ます。今こそ、日本農業の危機を打開することが緊急に求められているのではないでしょうか。和歌山市の食糧自給率についてお答え下さい。また、食の安全・ 安心及び自給率向上対策についての考え、地産地消や農業振興策についての考えを明らかにして下さい。

市長:和歌山市の食糧自給率は2005年度概算値でカロリーベース11%ときわめて低くなっています。耕作放棄地が増加している今日、農産物の生産 進行を進め自給率の向上を図ることは農家の経営安定はもとより市民の皆様の食卓に安全・安心と健康をお届けすることに他ならないものと考えております。