2014年 2月議会 一般質問

児童女性会館の休館について

 「児童女性会館で音楽の練習をしているが、代替施設もないのに一方的に会館の使用が中止されることになり困っている」と子どもを含む15人ほどのブラスバンドで月1~2回、マーチングの練習をしているという方から相談があった。児童女性会館は岡公園内にあり、その立地条件から音楽の練習をしても大丈夫と合唱やらバンドの練習など様々なグループが使っているとのこと。

(問)
児童女性会館の今後についての検討はどのようにされているのか。
(答)
耐震補強に加え、電気設備や配水管等の老朽化、バリアフリー対策を含め、費用対効果を検討した結果、解体することとした。建て替えの時期や故松下幸之助氏の思いを尊重した新しい建物の規模など庁内で様々検討してきた経緯を次の市長に引き継いでいく。
(問)
児童女性会館を緊急に休館する必要はあるのか。取り壊す直前までしようさせることはできないのか。
(答)
築後50年が過ぎて老朽化が進み、2011年度に耐震診断調査を行い、耐震補強が必要と診断され約2年間にわたり検討した結果、2013年11月15日に休館の告示をし、本年4月1日から休館の旨を知らせている。利用者の安全・安心を考えるとできるだけ早い時期に休館する必要があると判断した。
(問)
代替施設についての要望に、どのような対応ができるのか。
(答)
男女共生推進センター(あいあいセンター)に電子ピアノを設置してコーラス等の練習ができる部屋に改良し、また新たな会議室を1室増設する予定。
(問)
市として音楽の練習施設があってもいいのではないか。
(答)
教育委員会には音楽の練習施設として市民会館やアート・キューブ等がある。防音設備の部屋は市民ホールや大ホールの各リハーサル室、アート・キューブの多目的ホールや音楽室、河西コミセンの少人数用の音楽室等がある。教育委員会所管の文化施設では文化活動の相談を随時受け付けている。今後、教育関連施設の整備のあり方を検討する際、こうした役割・機能についても調査研究する。
(問)
代替施設の使用料が、それまで使用していた施設の使用料と変わらないような「当面のお試し料金」的な仕組みが必要だと思うがどうか。
(答)
児童女性会館が利用できなくなると、代替施設としてマーチングの練習ができる市民会館やアート・キューブ、体育館等が考えられる。それらの施設においても設備等に基づいた料金設定をしている。各施設に減免制度があり、他の使用団体とのバランスから「当面のお試し料金」的な仕組みは困難。
(姫田・注)
各施設の使用料を定めた条例には、「市長が特に認めたときには使用料減免ができる」との規定があり、これまでは代替施設としての利用を考えなかっただけであることから、その気があれば「お試し料金」はすぐに実施できることを指摘した。次の市長に求めていきたい。

大規模盛土造成地マップについて

(問)
防災意識を高める目的とはどのようなものか。
(答)
兵庫県南部地震や新潟県中越地震などで、大規模に盛土造成された宅地で滑動崩落による被害が発生した。このような災害を未然に防止、軽減するために大規模盛土造成地を把握するための調査。崩落を防止するための工事を支援する宅地む耐震化推進事業が創設された。今回作成したマップは、1次調査に基づく盛土箇所図であり、今後、優先度に応じ市が2次調査による危険度判定を行い、危険と判定された場合は、土地所有者による対策工事が必要だ。過去に発生した災害事象を認識していただき、そのような可能性のある大規模盛土造成地が身近に存在するものであることを知ってもらうなどして、今後、市と協力し、防災対策に取り組んでいただくことが、防災意識を高める目的と考えている。
(問)
滑動崩落を防止することは可能か。その方法は、どのようなものか。
(答)
限界があるが可能。滑動崩落防止の対策は、地盤に杭を打つ等により補強して盛土の滑りを押さえる抑止工と盛土の地下水を抜く抑制工があり、これらの工法を組み合わせて工事するのが一般的だ。
(問)
市が開発許可を与えた地域が崩落した場合の責任はだれがどのように負うのか。
(答)
滑動崩落という現象は、兵庫県南部地震や新潟県中越地震後に明らかになり、宅地造成等規制法等が2006年に改正された。現在は改正後の基準で許可しており、以前の許可は当時の一定の基準を満たして許可されているものだ。法的には開発許可をしたことのみで、市が直接責任を問われることはないと考えるが、ケースバイケースなので、先の地震における他都市の事例などを検討しているところだ。
(問)
大規模盛土造成地マップを作成し、最終目的まで完遂するために必要な経費はどれくらいかかるのか。
(答)
最終目的は宅地の安全を確認することだが、今後の第2次調査により、対策が必要な区域が確定する。崩落の恐れがあると判断されたとしても、対策工事の内容は、その土地の状況により異なるため、現時点での経費の把握は困難だ。
(問)
財政的な負担に耐えられない土地所有者は対策工事ができないと思うし、事前に土地所有者との基本的合意がなければ、事業が進まないと思うが、その点はどのように考えているのか。
(答)
現行の国の助成制度では不十分であり、まず国による制度の充実が必要だと考えている。市民の負担を軽減できるよう、今後も国に対して支援制度の改善などを要望していく.事業の実施には、事前に複数の土地所有者の合意が必要不可欠なので、お互いが合意、協力して事業が行えるよう、制度の内容を丁寧に説明していこうと考えている。
(問)
危険と判定された造成地内にある道路などの公共性のあるものについての対策は、行政が対策工事を行うべきだと思うがどうか。
(答)
国土交通省の滑動崩落防止工事の考え型としては「宅地所有者と公共施設の管理者などが、工事の内容や費用負担などについて協力して行う」とされていることから、公共施設の管理者が市である場合は、周辺の宅地所有者と工事の内容や費用負担を協議、協力し対策を行うことになると考えている。
(姫田・注)
開発地の道路や公園が個人のものたったり、開発業者のものである場合は工事の補助が出来ないという答弁。現時点では、マップ作成後の第2次調査で「崩落の危険あり」と判定された場合に、そこに住んでいる方をどう救うのかという考えが市にも国にもないことが明らかになった。今後も改善を求めていきたい。