2006年2月 「市長の政治姿勢と施策方針」を問う

「市長の政治姿勢と施策方針」を問う

■異常な社会的格差について市長の考えは?
 まず貧困と社会的格差の問題です。国民全体の所得が連続的に減少する中で、貧困層が広がるという事態は、戦後初めての異常な事態です。本市でも 00年から04年の5年間で生活保護人員では、46・3%増加、就学援助支給人員では29・8%増加しています。貧困と社会的格差が拡大したこの数年は、 「構造改革」の名で、非正規雇用の急増など人間らしい雇用の破壊、中小零細企業への貸し渋り、貸しはがしなどによる経営苦・倒産・廃業の広がり、庶民増税 と社会保障の連続改悪などが押し付けられてきた数年でした。庶民生活を破壊し続けてきた財界・大企業と政府・与党の責任が厳しく問われなければならない と、日本共産党は考えています。
社会的格差について、市長のお考えは、どうでしょうか。
■市長答弁
 人間が公平公正な条件の下で決められたルールに従い、競争して勝ち負けを競うことは当然必要なことです。努力が報われ励みになることが次のス テップへの挑戦の意欲と努力を生み出すわけですから、競争がなくては人類の進歩もないと思っています。ただ、規制緩和の名のもとにルール無視が許されるよ うな風潮が生まれ、卑怯な手を使ったり、相手を落とし入れても勝ちは勝ち、負けたのは努力が足りないからだと公然と語られるのは実に嘆かわしいことです。
■戦争を想定した国民保護法について市長の考えは?
 04年6月に制定された武力攻撃事態等における国民の保護のための法律、いわゆる国民保護法は、日本有事の際に、地方自治体や指定公共機関など に住民の避難計画や救援・復旧などの国民保護計画策定を義務付けるものですが、きわめて危険な内容になっています。有事法制における国民保護計画は、災害 救助における住民避難計画などとは根本的に違うものです。その違いの第1は、米軍と自衛隊の軍事行動を最優先する国民動員計画だということ、第2の違い は、アメリカの戦争に地方自治体や公共機関、その労働者を動員する計画であること、第3の違いは、こうした国民保護計画は、国民の自由と権利を侵害する計 画だということです。
憲法9条は戦争放棄を定めており、そもそも有事、戦争を想定した法律を定めることに問題があります。国民保護法について市長はどのようにお考えでしょうか。
■市長答弁
 この法律については「有事」を前提にした法律ですが、「戦争」を引き起こすための法律ではなく、あくまで外部からの攻撃に備え、市民の生命、身体及び財産を保護するための法律だと認識しています。
■行政改革計画実施への市民参加をどうすすめるのか?
 昨年12月に発表した財政健全化計画の見直しと行財政改革大綱について、行財政計画の実施計画には、06年度から09年度までに区切った実施年 度が明記されています。市の事業は基本的には市民のためのものであり、行財政改革として、事業の廃止、縮小については少なくない市民に直接影響することか ら、その計画策定や実施に当たっては、一定の市民合意が必要だと考えます。これまでも幼稚園の廃園問題や小規模作業所の補助金削減などでも、市民への計画 の説明が十分ではなかったことから大きな問題となりました。計画段階でも、実施段階でも、可能な限り市民参加を進めることが大切だと思います。行財政改革 について、市民参加をどのように進めるのかお答えください。
■市長答弁
 行財政改革の取り組みを進めるには、市民の意見をどのように受け止めていくかということは大変重要だと思っています。行財政改革大綱において も、その推進方針に行政改革推進懇話会の意見を参考としながら、議会をはじめ市民の理解と協力を得られるよう努めるとしており、大綱の公表に際しては市民 からの意見をいただくことにしました。今後、これらの意見を参考にしながら極力市民サービスの低下を招くことなく改革を進めていきたいと考えています。