2017年2月議会 一般質問

農業によるまちづくりについて

1.都市農業振興基本法に基づく地方計画作成について、その必要性をどのように考えているのか。
(答弁)
 本市の都市農業は、新ショウガ、ダイコン、キャベツなどの野菜を中心とした付加価値の高い作物を栽培する、都市近郊農業として営まれている。また、農地は防災空間、環境の保全、良好な景観の形成7など多様な機能を有している。都市農業振興基本法では、都市農業を市街地及びその周辺の地域で行われる農業と定めており、基本的な方針として計画的な農地の確保、担い手の確保を図るとしている。このことからも都市農業の安定的な発展を推進するためにも、地方計画の策定については、国や他都市の動向を注視しながら検討していく。
2.生産緑地制度の接道要件を外すとともに、500㎡以上の農地なら指定できるよう改善する必要があると思うがどうか。
(答弁)
 都市農業振興基本法が施行され、指定要件の緩和を含む生産緑地法の改正案が閣議決定される等、都市農業の振興に向けた国の検討が進められている。和歌山市における生産緑地地区については、こうした国の動きとともに近年増加している指定解除等の本市における課題も踏まえ、都市農業の振興の観点で指定要件の緩和や強化も含めて見直したいと考えている。
3.市民農園の拡大や市民農園をまちなかへ設置することについて、どのように考えているのか。
(答弁)
 本市には10か所の市民農園があり、うち8か所が市街化区域内に開設されている。市民農園は市民が農業に触れ、農業の魅力を感じ取る機会となり、農業への理解と関心を高める効果があることから今後も推進していく。
4.農業体験農園の拡大について、どのように考えているのか。
(答弁)
 本市ではH28年4月から1か所で農業体験農園の運営が始まっている。農業体験農園は、新しい農業経営形態で農家が栽培する作物を決め栽培を指導し、できた作物は利用者が買い取る仕組みで農家は農作業の負担が軽減でき安定した収入を得ることができる。利用者は栽培方法の指導を受けることができ、資材も準備してもらえることから初心者でも農業を簡単に体験できる利点がある。この農業体験農園については、本市ではJAなどが積極的に取り組みを進めており、本市としても担い手対策及び耕作放棄地対策として効果があると考えているので、JAなどの関係団体と連携し、設置を希望する方には協力していきたい。
5.子どもの頃から農業の成り立ちや食物の栽培などの農業体験ができる「農業小学校」を開校してほしいと思うがどうか。
(答弁)
 本市ではH28年度に市内の小学5年生などを対象に野菜の栽培体験を46校で取り組み、できた野菜を自分たちで調理して食べ、収穫の楽しさと新鮮野菜のおいしさを体験し、農業への理解を高める機会となっている。また、四季の郷公園では様々な農業体験イベントを実施しており、子どもの参加を積極的に広報している。子どもたちが農業に親しむことは、農業に関する理解及び関心が次世代にも継承されることになることから、今後も農業体験については積極的に取り組む。

住宅政策について

《第1問》

1.市営住宅の戸数は足りていると考えているのか。
2.応募数が多く抽選となる地域には市営住宅を確保する必要があると思うがどうか。それともいつまでもクジ引きを続けるつもりなのか。
(答弁)
 市営住宅の戸数については、H24年3月策定の「和歌山市営住宅長寿命化計画」で需要推計を算出し、当時の管理戸数6642戸からH33年度までに6190戸に削減する計画となっており、現在は計画通りに推移している。また近年の人口減少が進んでいることも含め市営住宅の需要としての戸数は充足していると考えているが、生活の利便性が高い状況にあり入居に際しては公開抽選による入居者決定を行っているため、現状では入居していただけない方が多くいる。このような状況の中、まちなか居住を推進するためにも需要に適した住宅確保に関連する施策を検討する。
3.市営住宅の不足分は民間住宅の借り上げで対応すべきだと思うがどうか。
4.応募の少ない市営住宅を障害者のグループホームに使えるようにすべきだと思うがどうか。
5.3大学誘致により市内中心部の賑わい創出をするためには、学生がまちなかに居住できる仕組みづくりが必要だと思うがどうか。
(答弁)
 民間住宅の借り上げについては、競争率の高い中心市街地等への供給により、競争率の緩和が期待される一方で、オーナーとの契約期間及び修繕費用の負担によるトラブル等のデメリットもあることから他都市の先進事例を研究する。
次に、グループホーム事業を実施する際の承認基準は、公営住宅法第45条第1項に「公営住宅の本来入居対象者である低所得者層への供給に支障が生じないこと」と規定されている。市営住宅の過去5年間の応募倍率が3.22倍で応募倍率の低い市営住宅についても随時募集にて対応している。また応募の少ない市営住宅は、エレベーターが無く上層階に空き部屋が集中しており、障害者のグループホーム等に活用することは難しいと考えている。
最後に、学生がまちなかに居住できる仕組みづくりについては、まちなかの活性化に向け誘致が決まった3大学の効果を生かし、市内中心部の更なる賑わいを創出するためには定住促進につながるような住宅施策が必要であると考えている。